DX人材に必須のスキルや資格、マインドセットとは?育成事例も紹介

DX人材に必須のスキルや資格、マインドセットとは?育成事例も紹介

2018年9月に経済産業省から発表された「DXレポート」により広く認知されたDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉。コロナ禍の新しい生活様式のもとで、ビジネスを切り開く重要な要素となっています。

それでは、実際にDX推進を実現できる人材である「DX人材」とはどのような人材なのでしょうか? DX人材に必要なスキルや育成方法など、具体的に解説していきます。

DX人材とは? どんな役割を持っているのか

まずはDX人材の定義を解説します。

DX人材の定義と役割

経済産業省が発表した「DX推進ガイドライン」によれば、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義されています。

つまり、DX人材とは、「デジタル技術やデータ活用に精通した人材」あるいは「業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解し、DXの取り組みをリード・実行できる人材」と言い換えることができるでしょう。

★DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味
・デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること
・既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの

★DXに関する詳しい解説はこちら

DX人材の課題

昨今、DXの必要性を感じている企業が急増してる一方で、DX推進を担うDX人材の不足が顕著になっています。

そもそも「DX(デジタルトランスファーメーション)」という言葉の響きから、“DX人材=単にデジタルに強い人材”という誤解が生じやすいことも問題となっています。

DX人材とは、「デジタル人材」「IT人材」とは異なり、デジタルに精通していながら、率先して事業を変革させることのできる人材を示します。

つまり、システム開発に限らず、業務推進や事業開発といった役割を担う職種の場合でも、デジタルを駆使してビジネスを変革できる人材であれば「DX人材」になりうるといえるでしょう。

DX推進を担う6つの職種

IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」

IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」

IPAが2020年5月に発表した「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」によると、DX推進に必要な人材は「プロデューサー」「ビジネスデザイナー」「アーキテクト」「データサイエンティスト/AIエンジニア」「UXデザイナー」「エンジニア/プログラマー」の6つの職種に分けられます。それぞれの職種について具体的に解説していきます。

DX人材① プロデューサー

プロデューサーとは、DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材のこと。

この職種はデジタル技術を活用する能力だけでなく、自社のビジョンや既存アセットへの深い理解が必要となるため、管理職クラスや事業のエースといった人材が任命されることが多いのが特徴。

課題設定力があり、ビジョンを提唱し、行動に移す力のある人が向いています。また、組織を横断して事業を推進できる調整力やマネージメント能力も必要です。

DX人材② ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進などを担う人材のこと。

プロデューサーのもとで具体的なビジネスモデルを企画し実行する役割であるため、プロデューサー同様に自社のビジネスをよく理解している必要があります。

ビジネスと技術に関する知識はもちろん、新しいビジネスモデルを企画するための発想力が必要です。また、実行にあたって関係者らが円滑に仕事ができるよう、チームの合意形成や相互理解をサポートするためのファシリテーション能力も重要です。

➡︎【資料ダウンロード】DX推進における 人材育成のあり方

DX人材③ アーキテクト

アーキテクトとは、DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材のこと。

プロデューサーやビジネスデザイナーが企画したビジネスの実現のために、システム設計を行うのがが主な役割。要件定義や仕様策定などSEの領域の業務も行いますが、ビジネス面での課題を深く理解し、ソリューションの提案まで行うのがアーキテクトの能力です。

DX人材④ データサイエンティスト/AIエンジニア

データサイエンティストとは、DXに関するデジタル技術(AI・IoTなど)やデータ解析に精通した人材のこと。

DX推進に関連の深い分野であるAIやIoTを活用するには、膨大なビッグデータからビジネスに活用できる知見を引き出す必要があります。その際に活躍するのがデータサイエンティストです。

統計学の知識や経験、プログラミングスキルが必須となるため、中途採用で人員を確保することが多く、入社後はOJTでフォローアップというケースになることがほとんどです。

DX人材⑤ UXデザイナー

UXデザイナーは、DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材のこと。

どんなに良い機能を備えたシステムであっても、それがユーザーにとって使いにくい仕様であれば日常的に使用されず、人々の生活に根ざしたプロダクトにはなりえません。そのため、ユーザー体験の向上という観点をシステム構築に取り入れるUXデザイナーの役割は必要不可欠です。

デザインに関するスキルはもちろん、デザインの意図を適切に説明できる言語化能力や、最新のテクノロジーのトレンドをいち早くキャッチできるアンテナの広さが必須です。

DX人材⑥ エンジニア/プログラマー

エンジニア/プログラマーはデジタルシステムの実装やインフラ構築などを担う人材のこと。

アーキテクトが設計した仕様に基づいてプログラミングし、コーディングやテストをおこないます。DX人材の観点では、DXの現場で使われているさまざまなシステムに精通し、その都度適切な開発を行える能力が求められます。

プログラミングやエンジニアリングの能力が必須となるため、社内のリソースだけで人員を確保することが難しいケースも多く、 外部リソースに頼ることが多いポジションです。

DX人材に必要なスキル・資格

DX人材には6つの職種があると説明しましたが、一般的にDXを推進する上で必要なスキルとはどのようなものがあるのでしょうか。5つの基本スキルを具体的に解説します。

ITに関する基礎知識

ビジネス領域におけるDXとは、「データやデジタル技術を駆使して、ビジネスに関わるすべての事象に変革をもたらす」こと。ネットワークやシステムの仕組み、ウェブやアプリケーションに関する知識がなければ、デジタル技術を用いた課題解決は不可能です。つまり、デジタル技術やIT分野の基礎知識は必須といえるでしょう。

デジタルトレンドに関する知見

DXは、常に更新されるデジタル技術を駆使し、現状のビジネスを変革し続けていくというもの。「一度やったから終わり」という性質のものではありません

先端技術に関する情報やトレンドを常にキャッチし、自社のビジネスにどのように取り入れることができるかを模索し続ける必要があります。

プロジェクトマネジメント能力

DX推進は試行錯誤の連続です。例えば、アジャイル開発を行う場合、優先度の高い機能から細かいサイクルでの開発を行うため、初めに細部まで設計を決めて1度のサイクルで開発を進められる従来のウォーターフォール開発とは異なり、その時々の状況に合わせた調整が必要になります。

DXを実現するためには、現状のビジネスの課題を、常に把握・検討していくという作業が欠かせません。よって、変化の多い環境でも自分やチームの業務をマネジメントできる能力が必要です。

★アジャイル開発に関する詳しい解説はこちら

ビッグデータの活用

ビッグデータの活用や、機械学習を用いたデータの分析や予測はDXという観点からも、年々重要性を増しています。データサイエンティストでなくても、その重要性を理解し、データや機械学習を活用することでどのようなことが可能になるかを自身で把握しておくことで、DX推進に必要な視点を得られます。

UX・UI志向

せっかくシステム開発を行っても、ユーザーにとって使いづらいシステムであれば普及しません。適切な方法でユーザー行動を調査・分析し、体験を設計しつつビジネルモデルとすり合わせるUI・UXの観点は、デザイナーだけでなく、エンジニアやプログラマーなど他の職種にも必須です。

➡︎【資料ダウンロード】DX推進における 人材育成のあり方

DX人材に必要なマインドセット

DX人材にはスキルと同様にマインドセットも重要

DXの実現のために必要なスキルがある一方で、DX人材に必須のマインドセットとはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に解説します。

★DX人材に必要なマインドセット
①課題設定力
課題設定力とは、解決すべき課題を見極め、仮説を立て、情報収集し、取り組むべきかどうかを特定する力のこと。DX推進は、まず現状のビジネスにおける課題を見出し、解決策を検討するところからスタートします。したがって、本質的に解決するべき問題かどうかを精査し、ビジョンと現状を繋ぐために施策を絞る課題設定力が重要です。②主体性・好奇心
自ら解決したい・取り組みたいという主体性や、デジタルトレンドや自社の事業に対して好奇心を持つことは、度重なる試行錯誤を要するDXの実現において重要なマインドセットといえます。

DX人材を育成する方法

DX人材を確保する方法は、採用育成という2つの手段があります。

担当する職種によっては新たに人材を採用するよりも、社内で人材を育成をする方が効率がいい場合も。なぜなら、DX人材になるための前提条件として、自社のビジネスや業務内容に精通していることが肝心だからです。

たとえ外部のベンダー企業にシステム開発を依頼する場合であっても、自社の課題や既存システムの問題点を把握している人材が企画立案からテストまでの全てのフローに携わり、担当者と密にやりとりをおこなうことで、課題解決に向けた確実なアクションが可能になります。

ゆえに、DX人材を育成するメリットは、自社の課題解決のために最適なシステムとは何かを判断でき、ユーザーとなる現場担当者のニーズを汲み取ったシステムを開発できる人材が確保できるという点でしょう。

それでは、実際にDX人材を育成するにはどうすればいいのでしょうか? 具体的に解説します。

OJTの機会創出

より実践的な能力を育てるには、デジタル教材などを用いた知識のインプットにとどまるのではなく、実際にDX推進に関する取り組みに携わることが重要です。ゆえに、OJTの機会を創出することが人材育成に効果的でしょう。

しかし、いざOJTによってDX人材を教育したくても、社内にDX推進に関する知見が蓄積されておらず指導できないという課題を抱えている企業も多いのが現状です。

スキルトランスファー型の支援を受ける

OJTで人材育成をする際に、開発を通じてスキルトランスファーの支援をしてくれる外部のベンダーを探すのも1つの方法です。

システム開発に関する実務を通して人材育成ができるので、会社としても単にプロダクトの開発に投資するだけでなく同時に社員の育成もできて一石二鳥です。

モンスターラボのDX人材育成サポート事例

モンスターラボグループのDX推進サポート事例をもとに、企業のDX人材育成の取り組み・事例を紹介していきます。

アプリ開発のプロジェクトを通じて、内製化できる体制づくりを支援

アプリ開発に携わり内製化できる体制づくりまでをサポート

アプリ開発に携わり内製化できる体制づくりまでをサポート

スマホ決済アプリ「Payどん」は、鹿児島銀行に口座を保有する顧客が利用できるキャッシュレス決済サービス。

モンスターラボは、アプリの開発に携わるとともに、鹿銀の行内開発チームにトランスファー型の技術支援を実施。開発の過程を通じてアプリ開発のスキルやノウハウを残し、初回リリース以降はクライアントチーム主導で運用できる環境づくりを目指しました。

★詳しくはこちら

組織強化支援を通じてデザイン領域を担う人材の発掘・育成

デザイン組織組成に向けた土台作りを目指して伴走

デザイン組織組成に向けた土台作りを目指して伴走

パーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)は、業務プロセスコンサルティング、システム企画・開発、システム運用・保守などを通じて、最新のテクノロジーやサービスを提供する企業。

モンスターラボは、同社のデザイン組織立ち上げプロジェクトに企画段階から参画。短期・中期における戦略の策定、人材育成プログラムの提供、ガイドラインの作成を担当するなど、DX推進のパートナーとして伴走しました。

★詳しくはこちら

➡︎【資料ダウンロード】DX推進における 人材育成のあり方

まとめ:スキルトランスファー型支援がDX人材育成のカギを握る!

DX人材について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

DX人材には、専門性の高いスキルと同時に、自社のビジネスや業務内容、既存のシステムに対する深い理解と、課題設定力や自主性といったマインドセットが必要とされます。

また、即戦力となるDX人材の育成をするには、スキルトランスファー型支援が可能な外部ベンダーをうまく活用することが効果的。実際のシステム開発を通じて人材育成をおこなうことで、専門性と自社のビジネス課題への深い理解を併せ持つDX人材の創出につながります。

DX人材育成のサポートに関するご相談・お困りごとがございましたら、下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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記事の作成者・監修者

宇野 智之(株式会社モンスターラボ 上級執行役員 デリバリー統括責任者)

2003年に独立系大手システムインテグレーション企業に入社。エンジニアを経て、PMとして組み込み/MobileApp/Webシステム開発案件を担当。大規模案件のマネジメントやオフショア開発を複数経験する。海外エンジニアとの開発における課題を解決することで、日本のIT人材不足の解決に貢献したいと考え、2015年にモンスターラボへ入社。2015年に豪州Bond University MBA取得。入社後はPM、PMO業務および組織マネジメント業務を担当。 2019年より、執行役員 デジタルコンサルティング事業部副事業部長・開発統括。2021年より上級執行役員 デリバリー統括責任者。 プロフィールはこちら