UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインとは、人工物(製品、システム、サービス)の利用を通じてユーザーが得るすべての顧客体験を設計することを意味します。
単に見た目や機能性が優れているだけでは、競合の製品・サービスとの差別化を図ることが困難になってきた現在。ユーザーの根本的なニーズに寄り添った“顧客体験を設計”するUXデザインは、製品やサービスの成功に欠かせない重要な要素として注目を集めています。
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目次
UXデザインの意味やUIデザインとの違いについて解説していきます。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスやシステムの利用を通して得る顧客体験のことで、ユーザーが商品を通して得たすべての体験のことを示します。
顧客体験には、ユーザーがサービスやプロダクトを認知して購入し、使用したのちに「また購入したい」「いい商品だった」といった感想を持つまでの過程が含まれます。
つまり、UXデザインとはサービスやプロダクトを通じたユーザーの顧客体験のすべてをより良くするために設計を行うことを意味します。
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UI(ユーザーインターフェイス)とは、サービスやプロダクトとユーザーをつなぐ接点を表す言葉。UIデザインは、Webサイトやアプリなど、実際にユーザーとサービスやプロダクトのタッチポイントを設計することを示します。
つまり、ユーザーとの接点を設計するUIデザインは、UXデザインの一部です。
★UXとUIの違いについての詳細はこちら
UXデザインにはさまざまな方法がありますが、それぞれの根本的なプロセスには共通点が多くあります。
★デザイン思考については詳しくはこちら
基本的なUXデザインのプロセスは、調査→分析→プロトタイプの作成→評価という順序で行われます。
UXデザインの基本的なプロセス
UXデザインのそれぞれプロセスをより具体的にみていきましょう。
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ユーザーニーズの調査では、データの分析だけでは得られない生活者の無意識な行為や価値観をリサーチします。求める情報に合わせて、フィールドワークやインタビューなど、より生活者に近い調査手法を駆使して行われることもあります。
ユーザーニーズの調査は、UXデザインを提供者側の感覚で設計してしまわないようにするための重要なプロセスです。ここでしっかりとユーザーの心理や価値観、ニーズを把握できる情報を収集できなければ、その後のデザインのプロセスがが誤った方向に進んでしまうおそれがあります。
成果物例:インタビュー設計書、結果、プロトペルソナ(競合調査資料)ユーザー調査結果
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ユーザーニーズの分析は、調査結果に基づいて分析を行い、ユーザーの要求事項を抽出するプロセスです。
カスタマージャーニーマップやKJ法、KA法、ブループリントなどの手法を用いて、ユーザーニーズを解決するために必要な課題を羅列し、サービスやプロダクトが真に解決すべき課題を抽出します。
成果物例:ペルソナ、カスタマージャーニーマップ
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抽出された課題に対して解決策となるアイデアを出し、顧客のニーズを満たす最小限のプロダクト(MVP)を決定後、プロトタイプを作成します。
プロトタイプを作成するには、②で明らかになった価値をもとにユーザーの行動をシナリオに落とし込みます。
例えばWebサイトのUXデザインを考える場合、そのシナリオをもとに画面を考えます。
一方で、その際②で抽出した価値に寄り添いすぎないフラットな視点を持つことも重要です。なぜなら、ユーザーはそれぞれに多様なパターンで画面を使っているからです。
作成したプロトタイプをもとにユーザー検証を行い、“本当にユーザーの要求を満たしているか”、“本来の目的を達成できているか”を確認します。
場合によってはコンセプトや利用イメージだけ評価を行うこともあります。
※参照記事/https://aco-tokyo.com/journal/bx-project-02/
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近年、さまざまなサービスやプロダクトが乱立するなかで、結果的にユーザーは商品を通して得られる“体験”を重視するようになりました。
つまり、ユーザーの根本的なニーズを調査して課題を抽出し、より優れた顧客体験を設計するUXデザインはサービスやプロダクトの成否を握っているといえるでしょう。
加えて、DX推進の観点でも、UXデザインは重要な要素を担っています。
■DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味
・デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること
・既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの
経済産業省がまとめた「DXレポート」においても、「UXを設計し、要求としてまとめ上げる人材」が、企業のDX推進に求められると記載されています。
経済産業省「DXレポート」においてもUXは重要な要素と記載されている
また、IPAが2020年5月に発表した「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」においても、UXデザインを担当する「UXデザイナー」はDXを推進する6つの職種の1つとして掲げられています。
IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」
つまり、UXデザインは、1つのサービスやプロダクトの開発といった枠組みを超え、会社のビジネス全体を変革させる要素としても認知されてきたといえるでしょう。
★DX人材について詳しくはこちら
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UXデザインはサービスやプロダクトにどのように活用されているのでしょうか。事例をもとに具体的に説明していきます。
ほぼ日らしい多数のユニークなアイデアを効果的に取り入れながら、ユーザビリティを重要視
株式会社ほぼ日が提供する動画コンテンツサービス『ほぼ日の學校』のサービス開発において、モンスターラボは企画段階から参画。UX/UIデザインからプロダクト開発までの工程を担当しました。
ユーザーの生活の中でアプリがどのように活用されるのかをシミュレーションしながら、プロダクトマネージャーと協働してユーザーストーリーを制作。
候補に挙がったほぼ日らしい多数のユニークなアイデアを効果的に取り入れながら、ユーザビリティを重要視。特に登録フォームなどのユーザー離脱につながりやすい項目では、ユーザビリティを損なわない設計を意識しました。
★詳しくはこちら
待ち時間の短縮やフラストレーションの排除を実現できる注文までの導線を設計
米国のShake Shack社からの依頼を受け、モンスターラボは革新的なセルフオーダーを実現するオンライン注文プラットフォームを開発。
インタビュー手法と観察法を用いたUXリサーチを実施し、注文からカウンターに商品を取りに行くまでの店内におけるあらゆるステップの顧客体験を徹底的に分析しました。
調査結果の分析からインサイトを得て、年齢・性別 を分けた複数のペルソナを設計。各ペルソナごとのカスタマージャーニーマップを作り出すことでプロジェクトメンバー内の認識を擦り合わせ、ペルソナの行動導線やタッチポイントを精査しました。
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UXデザインとはサービスやプロダクトを通じたユーザーの顧客体験のすべてを設計すること。
数あるサービスやプロダクトの中から自社の商品をユーザーに選んでもらうためには、UXデザインの考え方を用いて、ユーザーのニーズに寄り添った顧客体験を創出することが重要です。
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