ニューノーマルとは? コロナ禍で生まれた新しい働き方・社会の変化をDXの観点から解説

ニューノーマルとは?コロナ禍で生まれた新しい働き方・社会の変化をDXの観点から解説

ニューノーマルとは、「新しい常態」という意味の言葉で、コロナ禍で一変した常識や生活様式のことを指します。本記事では、ニューノーマルとなった新しい働き方やビジネス領域における変化を、DX(デジタルトランスフォーメーション)の観点から解説します。

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ニューノーマルとは?

ニューノーマルという言葉の意味、コロナ禍によって生まれたニューノーマルにはどのようなものがあるかを解説します。

ニューノーマルの言葉の意味

ニューノーマルとは、「新しい常態」という意味で、これまでと一変した新しい常識や生活様式のことを表します。新型コロナのパンデミックがもたらした不可逆的な社会の変化を、一般的にニューノーマルと表現していますが、この言葉はコロナ禍以前にも使われたことがあります。

ニューノーマルという言葉は、経済分野で以前とは異なる常識を表現するときに使われてきました。2003年に投資家のロジャー・マクナミーが、米国のインターネットバブル崩壊後の新しいビジネスモデルや金融技術を、ニューノーマルという言葉で表現しました。リーマンショックによる世界金融危機後の2009年には、エコノミストのモハメド・エラリアンが、欧米経済が低成長の時代に入ったとして、これをニューノーマルと表現しています。

ニューノーマルは「新しい常態」なので、定着したら変化しないものなのでしょうか?

次代を担うZ世代にとってもっとも関心の高いトピックは、気候変動やサステナビリティです。持続可能な環境や社会の実現は、未来に生きる世代にとってはもっとも重要なこと。ポストコロナのニューノーマルは、彼らによってアップデートされていくと考えるのが自然ではないでしょうか。

コロナ禍によって生まれたニューノーマル

コロナ禍では、ステイホームによる「巣ごもり需要」、リモートワークによる在宅勤務、遠隔授業、オンラインショッピングやデリバリーの増加といった、行動様式や働き方の変化が一気に訪れました。通勤やオフィス出社という旧来の当たり前が強制的に壊されたことで、人々のワークライフバランスの意識も大きく変わりました。これらの「気づき」やデジタル化による生産性の向上は、もう元には戻れない「新しい常態」として、アフターコロナの時代にも定着していくことが予想されます。

★コロナ禍をきっかけに生まれたニューノーマル
・テレワーク・リモートワークの普及、遠隔授業や遠隔診療などリモート技術の活用
・オンラインショッピングやデリバリーといった消費行動の変化
・ビデオ会議やクラウドソフトによるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

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ニューノーマル時代の働き方

コロナ禍によって生まれたニューノーマルは、わたしたちの働き方に大きな変化をもたらしました。ニューノーマル時代の新しい働き方について解説します。

リモートワークが主流に

総務省の調査では、2019年のテレワーク導入率は約20%ほどでしたが、東京商工リサーチのコロナ禍での調査によると、2021年3月のテレワーク実施率は38.4%に上昇、大企業では7割近くが実施しているという結果が出ました。

2022年1月には、ヤフーが社員の居住地制限を撤廃する新しい人事制度を発表し、「飛行機通勤OK」と報道され話題を集めました。続いてNTTも2月に、リモートワークを行う社員の居住地制限の撤廃を表明、リモートワーク実施率が7割に達したことも明らかにしました。これにより、地方の自然豊かな地域に居住してリモートワークするといった、多様性のある働き方が実現可能になります。

コロナ禍で、ZoomやMicrosoft TeamsといったWeb会議ツールや、SlackやSalesforceなどのデジタルツールはビジネスユーザーに広く浸透し、リモートワークへの抵抗感は急速に取り去られました。企業はデジタルによるペーパーレス化やスムーズな情報共有の価値を認識し、生産性を高める働き方を志向するようになってきました。

研修や会議、営業活動もオンラインに移行

大勢の人間が集まるセミナーや展示会も、感染拡大を防ぐために、デジタルツールを活用してオンラインに移行されました。オンラインイベント管理システムには、商談や質疑応答を活発化させるチャットや双方向のコミュニケーション機能が搭載され、遠隔地の顧客やユーザーも気軽に参加できるというメリットももたらされました。

多くの企業が対面での会議の非効率さに気づくことになり、オンライン会議やチャットツールの活用が進みました。SFA(営業支援システム)CRM(顧客管理ツール)を活用したオンラインでの営業活動も盛んになり、属人的な営業スタイルから、営業チーム全体がデジタルで協働するスタイルに変化しています。

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ニューノーマル時代の社会の変化

ニューノーマルで変化した生活様式や消費行動には、どういったものがあるのか解説します。

ニューノーマルで変化した生活様式とは

与信管理サービスのリスクモンスターが2021年6月に実施した「ニューノーマルな生活様式への意識」調査では、回答者の約9割の人が生活様式や働き方に変化を感じており、ニューノーマルを実感していることが判明しました。具体的にニューノーマルを感じていることとしては、「外出時のマスク着用」「外食の減少」「移動や人ごみの回避、ソーシャルディスタンスの確保」「会食・宴席の減少」「対面コミュニケーションの減少」といった項目が上位になっています。

Eコマースへの支出増加

総務省の「家計消費状況調査」によれば、2021年12月の2人以上世帯のネットショッピングの支出額は25,507円となっており、前年比18.2%の増加となっています。ネットショッピング利用世帯は56%で、2020年3月の約45%以降に急速に増加していることがわかります。

Eコマースでは、ECサイトとライブ配信を組み合わせたライブコマースを導入する企業も増えました。オンラインで対面販売の臨場感を体験でき、チャットやコメントで双方向のコミュニケーションが行える点が消費者から注目されています。

キャッシュレス決済の普及

コンビニやスーパーなどの店舗では、コロナ禍で非接触型のサービスが求められたため、スマホ決済を含むキャッシュレス決済が普及しました。海外に比べてキャッシュレス決済の普及が遅れていた日本ですが、ニューノーマルで確実に定着しつつあります。

外食産業やホスピタリティ業界の業態転換

ホテルや旅館などのホスピタリティ業界は、入国制限によるインバウンド需要の消失により、事業存続が危うくなるほどの打撃を受けました。一部のホテルでは、客室をリモートワーク向けに提供したり、長期居住プランを提供したりする企業も現れました。

外食産業では、デリバリーやテイクアウトサービスを提供する店舗が一気に増加しました。ゴーストレストランやシェアキッチンといった、投資を抑えて出店可能な新しいフードサービスも拡大しています。一方、酒類の提供が制限された居酒屋チェーンでは、唐揚げや丼などの別の業態に転換して生き残りを図ろうとする動きも見られます。

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ニューノーマル時代に求められるスキル

ニューノーマルで普及したリモートワークや、オンラインのコミュニケーションに求められるスキルとはどのようなものがあるのでしょうか。基本的なスキルを具体的に解説します。

コミュニケーションスキル

ニューノーマルで普及したリモートワークでは、コミュニケーションの手段としてチャットやメールが多用されます。Slackなどのビジネスチャットツールを導入した企業も多いでしょう。チャットによるコミュニケーションは手軽な反面、迅速な反応が求められます。伝えたいことや言いたいことの結論をはじめに書いた、簡潔でわかりやすいメッセージにまとめる能力が必要です。

また大切なのは、メッセージの既読を送信者に確実に伝えることです。時間がない場合は、リアクションボタンで反応して既読を伝えるだけでも十分。エモティコンを使って、気分や感情を表現するのも、円滑なコミュニケーションのテクニックの一つです。

自己管理能力

在宅勤務によるリモートワークでは、ある程度自由な時間に働くことができる柔軟性がある反面、気づいたら長時間労働をしていたという状況も少なくないでしょう。割り振られたタスクのスケジュール管理や正確な完了見通し、サポートが必要な際の適宜な発信など、自らの能力や仕事の難易度を客観的に判断することが求められます。

リモートワークが定着した組織においては、自分自身でストレスマネジメントや体調管理を行い、長期に渡って生産性を維持できるような自己管理能力が必要となります。

問題解決能力

リモートワークでは、パソコンやデバイス、ソフトウェアにトラブルが起きた際にも、ITチームのサポートなしに問題を解決することが求められることがあります。ハードウェアの問題か・ソフトウェアの問題かといった問題の切り分け、セーフモードでの立ち上げ、最近追加した機能拡張の無効化など、ロジカルシンキングが身についていれば対応が容易となります。

よく起こるトラブルや解決例、ナレッジを共有するために、情報共有ツールを導入すると業務効率や生産性が向上します。リモートワークでは、情報共有で協働したほうが、個人の問題解決能力の向上にもつながるでしょう。

モチベーション管理能力

リモートワークでは、同僚との雑談やランチミーティングといった機会が得られないため、孤独を感じてモチベーションが低下してしまう従業員もいるかもしれません。欧米では自身のモチベーション維持のために、マインドフルネスやヨガといったアクティビティを行っている人が少なくありません。週末に完全に仕事をオフにして、自然豊かなアウトドアでリトリートするのもいいでしょう。

自分一人で対応が難しいと感じたら、素直に上司やリーダーに1on1ミーティングを依頼しましょう。リモートワークでは、積極的なサポート要求も重要なスキルの一つです。

セキュリティへの意識

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2021」では、2020年に組織に発生した重大インシデントとして、3位に「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」が初登場しています。

また、日本ネットワークセキュリティ協会(JSNA)の調査によると、企業の情報漏えいの原因は、従業員による「紛失・置忘れ」が50%以上を占めています。

リモートワークでは社外持ち出し機器の割合が増えるため、情報漏えいを防ぐためには従業員のセキュリティへの意識を高める必要があります。セキュリティのリテラシーがあれば、フィッシングメールの見分け方、公衆Wi-Fi利用時のVPN接続といった個人での対策が可能になります。

企業としては本来、セキュアなVDI(仮想デスクトップ)といったサービスを、リモートワーク環境に導入するのが望ましいでしょう。

DX推進の重要性

コロナ禍で日本企業のDXの重要性が高まり加速しました。ニューノーマルな時代に不可欠なDX推進の課題をデータをもとに解説します。

電通デジタルが日経BPコンサルティングに委託した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)」では、コロナ禍でのニューノーマル時代への変化が​​、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速している状況がわかりました。

調査では日本企業の74%がDXに着手しており、昨年比で4%の拡大となっています。コロナ禍によるDXの取り組みへの影響については、50%が「加速」と回答し、以前から推進していたDXの必要性がコロナ禍で一気に増し、加速した様子が見て取れます。全体の約5割が一部の成果を含む「DXで成果が出ている」と回答

一方、BCG(ボストンコンサルティンググループ)が大企業850社(日本企業は79社)に実施した「デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査」(2020年4月~6月実施)によると、日本企業のDX成功率は14%で、海外平均30%の半分以下という結果が出ています。こちらの調査でも、85%の回答者がコロナ禍でDXの優先順位が高くなったと答えています。

一方、DXをビジネスモデルを抜本的に改革するものと答えた回答者は、わずか33%でした。また、グローバル企業では62%のDXがCEO直属の組織によって推進されているのに対し、日本ではその割合は30%ほどにとどまっています。特定の事業部門のリーダーがDXを主導している割合は日本では15%で、グローバル企業の3%より高くなっています。一方、グローバル企業の78%が、DXがその期間全体を通じてCEO/エグゼクティブコミッティの経営アジェンダに挙げられていました。

以上のことから、日本のDX推進の課題は、CEOを含むCxOの強力なコミットメントが欠けていることだと思われます。

★DXについて詳しくはこちら


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ニューノーマル時代に活躍する「DX人材」

IPAの「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」によると、DX推進に必要な人材として次の6種の人材が挙げられています。

★DX人材についてはこちらの記事をご参照ください


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まとめ:コロナ禍で加速したDXがさらなるニューノーマルを導く

コロナ禍で加速した日本企業のDXですが、デジタル化による業務の効率化から、DX本来のデジタルテクノロジーでビジネス全体を根底から大きく変革することに向かっているように見えます。DX推進の課題はDX人材の育成と確保ですが、DXの成功のためのもっとも重要な要因は、経営トップのコミットメントにあります。コロナ禍で生まれた「新しい常態」であるニューノーマルは、DXが大胆に推進されることで、さらにアップデートされていくかもしれません。

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記事の作成者・監修者

宇野 智之(株式会社モンスターラボ 上級執行役員 デリバリー統括責任者)

2003年に独立系大手システムインテグレーション企業に入社。エンジニアを経て、PMとして組み込み/MobileApp/Webシステム開発案件を担当。大規模案件のマネジメントやオフショア開発を複数経験する。海外エンジニアとの開発における課題を解決することで、日本のIT人材不足の解決に貢献したいと考え、2015年にモンスターラボへ入社。2015年に豪州Bond University MBA取得。入社後はPM、PMO業務および組織マネジメント業務を担当。 2019年より、執行役員 デジタルコンサルティング事業部副事業部長・開発統括。2021年より上級執行役員 デリバリー統括責任者。プロフィールはこちら