DX推進で業務改善するには?ポイントを正しく押さえて業務効率化を実現しよう

DX推進で業務改善するには?ポイントを正しく押さえて業務効率化を実現しよう

業務改善DXとは、DX推進によって業務改善を目指すことです。近年はツールの導入だけでなく、DX人材育成や内製化を支援している外部パートナーと協業でシステムを開発することで、知見・ノウハウを学び、DX推進と業務改善を図る企業も増えています。

そこで、本記事ではDXの概要と意味、業務改善を図るポイント、取り組む際の手順について解説します。

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DXとは?

まず、DXの意味や重要性についてみていきましょう。

DXの意味

日本における「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、AIビッグデータといった企業のデジタル技術を活用し、新しいビジネスの創出や業務プロセスの改善を目指す取り組みを指します。

日本では主にビジネス領域が対象となりますが、本来は「デジタル技術を社会に浸透させて人々の生活をより良く変革する」という意味があります。この変革は「デジタル・ディスラプション」ともいい、単なる変革ではなく「既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの」と考えられています。

ビジネスシーンにおいても「単なるIT化」や「業務効率化」ではなく、既存のプロセスそのものの刷新や新規事業の創出につながる「破壊的」な改革を目指す姿勢が求められるでしょう。

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DX推進の現状と重要性

IPAが2023年2月に発表した「DX白書2023」によると、日本において「DXに取組んでいる」と回答した企業の割合は2021年度の55.8%に対して2022年度は69.3%であり、この一年で増加しています。

ただし「全社戦略に基づいて取組んでいる」割合は米国の68.1%に対して日本は54.2%となっており、全社横断での組織的な取組としてさらに進めていく必要があることがわかります。

幅広い産業において進む市場のグローバル化に対応し、競争力を高めるためには激しい変化に柔軟に適応する環境や組織を構築しなければなりません。

しかし、現在の日本の企業は過去の技術や仕組みで構築されるレガシーシステムやアナログ環境による旧来の組織体制が中心であり、企業風土などの経営における根幹からの刷新が必要とされています。そのための中心的な取り組みがDXなのです。

レガシーシステムの老朽化による「2025年の崖」や、中国や東南アジアなどの新興国の急速なデジタル化による日本のデジタル後進国化など、個々の企業はもちろん国全体でDXを推進する「まったなし」の状況だといえるでしょう。

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DX推進が業務改善につながる理由

業務改善とは、企業や組織において不要な作業や無駄をなくし、生産性を高める取り組みです。企業の競争力強化や業績向上、従業員の満足度向上のためには必要不可欠です。

企業がDXを推進することにより、デジタル技術を用いて人が行う作業をシステムで自動化することや、レガシーなシステム・古い働き方から脱却することが可能になります。つまり、DX推進によって生産性や労働環境が改善され、結果的に業務改善にもつながっていきます

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DX推進で実現できる業務改善

DX推進で実現できる業務改善として次の4つが挙げられます。

・業務効率化による生産性の向上
・コスト削減
・データ活用の推進
・レガシーシステムや旧来の組織体制からの脱却

それぞれ詳しい内容についてみていきましょう。

業務効率化による生産性の向上

DXを推進することで、業務効率化による生産性の向上が期待できます。今まで手作業だった業務をシステムに任せれば従業員の負担が軽減され、後回しにされがちだった業務に取り組めるようになります。

システムによる正確なデータ抽出・分析によって、現実的な計画を立案できるほか、クラウドツールやWeb会議ツールを導入すれば在宅勤務なども可能です。

コスト削減

DXの推進は、既存の業務プロセスに対する問題点の把握につながります。問題点を把握すれば改善して業務効率を高められるのはもちろん、自社が対応する必要のない業務をアウトソーシングしてコスト削減もできるでしょう。

また、削減したコストは企業活動の根幹となるコア業務に宛てられるため、既存事業の強化や新規事業の立ち上げにもつなげられます。

データ活用の推進

DXが実現すれば企業が収集するデータを一元管理できるため、データ活用の推進が可能です。各部署がそれぞれ独立してデータを使用している場合、活用できるはずのデータを共有できず、機会損失につながるリスクがあります。

DXによってデータを一元管理できれば、部署間でもデータを共有できるようになります。また、手作業による入力作業もなくせるため、打ち間違いなどのヒューマンエラーも抑止できるでしょう。

さらにデータ利活用による分析結果をもとに、ビジネス上の課題解決や意思決定を行うデータドリブン経営も実現できます。

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レガシーシステムや旧来の組織体制からの脱却

DX推進が加速している背景にあるのが、レガシーシステムから脱却する必要性です。

レガシーシステムとは、1980年代に多くの企業が導入したシステムのことで、過去の仕組みや技術で構成されています。レガシーシステムの脱却が必要な理由は大きく分けて2つあります。

1つ目はレガシーシステムのメインフレーム技術に精通した技術者の高齢化です。これにより、レガシーシステムに対応できる人材が減少し、大きな問題となっています。

2つ目がIT人材資源の浪費です。2018年に経済産業省が公表した「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」では、レガシーシステムの保守・運用にIT人材が割かれるのは貴重なIT人材の浪費だと指摘しています。

レガシーシステムから脱却し新システムを導入すれば、IT人材を浪費する心配がありません。データ利活用や業務プロセスの改善にもつなげられるため、結果として旧来の組織体制からの脱却も図れるでしょう。

出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(METI/経済産業省)

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DXによる業務改善の課題

一方で、DXによる業務改善を実現するには課題も存在します。

DX人材の確保

DXを実現するには、デジタル技術やデータ活用に精通し、DXの取り組みをリード・実行できるDX人材が必要です。しかし「DX白書2023」では、日本企業におけるDX人材の「量」「質」ともに不足している現状が指摘されています。

外部からDX人材を確保するのは難しい状況であるため、社内での人材育成や、外部パートナー企業へのアウトソースを検討する必要があります。

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自社に適した施策の選択

DXによる業務改善と一言で言っても、企業ごとに課題は異なります。たとえばツールを導入するにしても、ツールごとにカバーできる分野は異なるため自社の課題に合わせた最適なものを選択しなければなりません。せっかく導入したのに社内に浸透せず、無駄なコストになってしまったというケースも散見されます。

現場メンバーとの摩擦

DX施策を導入しても、実際に業務を行う従業員の理解やスキルにギャップがあり、結局は業務改善を実現できないといった失敗ケースも多いです。現場の担当者にヒアリングを行った上で施策を検討し、導入の目的やツール・システムの使い方などをフォローすることが重要です。

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DX推進で業務改善を図る際のポイント

前章で挙げたような課題を克服し、DX推進で業務改善を図る際のポイントとして次の3つが挙げられます。

・アジャイル思考
・ツール導入の検討だけでなくサービス開発も視野に
・リスキリング、DX人材育成

ポイントごとの詳しい内容について解説します。

アジャイル思考

アジャイル思考はアジャイル開発をコンセプトにした思考のことです。PDCAをコンパクトなサイクルで、迅速かつ短期間でまわしながらトライ&エラーを繰り返し、品質を向上させます。

DXの推進は企業全体で行う必要がありますが、企業規模が大きくなるほどDX推進は難しくなります。そのため、小さな単位でトライ&エラーを繰り返しながら品質を向上させ、適用範囲を拡大していくアジャイル思考に則ってDXを推進することが大切です。

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ツール導入の検討だけでなくサービス開発も視野に

DX推進で業務改善する場合、RPAやBIといったツールを導入するのが一般的です。また、近年はAIディープラーニングの技術進化も目覚ましく、チャットボットやAI画像認識などを業務改善に活用する企業も多くあります。しかし、これらのツールを導入しても活用できなければコストの無駄になる可能性が高いです。

自社の課題を既存ツールで解決できそうにない場合は、ゼロからシステムを開発するのも1つの手段です。また、自社のために開発したシステムを外販化することで、新しいビジネスの創出につながるケースも少なくありません。

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リスキリング、DX人材育成

リスキリングとは、職業能力の再教育・再開発を意味する取り組みです。近年はDXの推進によって、デジタル業務の知識・スキルを習得する際に使用されています。

企業内でDXの推進が進行しても、それらを扱うスキルがなければ十分な効果を得られません。また、DX推進は企業全体で行うものであり、旧来の組織体制からの脱却も求められます。そのため、デジタルを扱う部署だけでなく、事務職や営業職といった部署にもリスキリングは必要です。

近年は多くの企業がDXを推進していることもあり、業界全体でDX人材が不足しています。外部からの人材確保が難しくなる中、自社内でDX人材育成している企業も増えています。

ただし、一からDX人材を育成するとなると、何から手を付けていいかわからないという企業も多いでしょう。このような場合、システム開発を通じてDX人材育成支援や内製化支援を行っている外部パートナーと協業するという手段もあります。

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自社でサービス開発をして業務改善に取り組む際の手順

自社でサービス開発をして、業務改善に取り組む際の手順は以下のとおりです

1.課題の抽出・分析
2.解決方法の検討
3.開発
4.リリース後も細かな改善を繰り返す

手順ごと内容についてみていきましょう。

課題の抽出・分析

まずは、自社における課題の抽出・分析を実施します。ここで重要なのは、今すぐ解決しなければならない優先順位の高い課題を挙げることです。

解決方法の検討

課題の抽出・分析が終了したら、解決方法を検討します。DX人材の登用をはじめ、開発したいシステム・サービスに類似した事例やDX推進支援が豊富な外部パートナーを探すとよいでしょう。また、人材育成支援を実施する企業に依頼するのもおすすめです。

開発

自社でサービスを開発する際は、アジャイル開発がおすすめです。

アジャイル開発とは、現在主流となっているシステム開発手法の1つです。計画からテストまでの開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返し、システムを完成させます。「計画→設計→実装→テスト」といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すのが最大の特徴です。

DX推進は顧客ニーズにマッチしたシステムを素早くリリースし、ブラッシュアップしていかなければなりません。開発中の要件・仕様変更に強いアジャイル開発は、DX推進と相性がよいといわれています。

アジャイル開発の知見がない場合、併走してくれるパートナーと協業すれば、ノウハウを学べるでしょう。

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リリース後も細かな改善を繰り返す

リリースしたら業務改善は終了というわけではありません。実際に課題が解決し、業務効率化をしているかを定期的に見直し、上手く効率化が進んでいない場合は適宜改善していくことが大切です。

顧客の声を汲み取るのはもちろん、状況分析を検証してどのような効果を得られたのかというデータを収集すれば、現状の課題だけでなく今後生じる課題の解決にも役立ちます。

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モンスターラボの業務改善支援事例

モンスターラボの業務改善支援の事例として、ここでは次の3つを紹介します。

・ユニメイト
・クボタ
・鹿児島銀行

事例ごとの特徴から、自社に活かすヒントを探してみてください。

ユニメイト

ユニメイト「AI×R Tailor」

ユニメイトは、レンタルユニフォーム事業を主軸にユニフォームの企画・生産・販売・クリーニングまで手がける企業です。従来のユニフォームのサイズ申請はスタッフによる自己申告で行われていたためヒューマンエラーによるサイズ違いが多く発生し、返品や交換に大きなコストが発生していました。

この課題解決のために開発されたのが、AI画像認識を活用した自動採寸アプリ『AI×R Tailor』です。ユニメイト社の採寸ノウハウを活かして適切な服のサイズを導き出すマッチングロジックを創出しました。

結果、アプリの活用によりサイズ交換のコストと労力の削減に成功し、業務改善を実現しました。

モンスターラボではサービス改善を目指すAI×R Tailor開発の企画段階から参画し、アプリのリリース後もサービス向上の支援を行っています。

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クボタ

クボタは、世界各地のユーザーニーズに対応した建機・農機などの製品を用いてトータルソリューションを提供するグローバル企業です。

同社は販路拡大によってユーザーに提供する製品が増加した結果、問い合わせ件数が増加し担当するサービスエンジニアの経験・スキルによってマニュアルだけではサポートが不十分な状態となっていました。

そこで建機の故障箇所をスムーズに認識し、ダウンタイムを極小化する新サービスとして開発されたのがAR機能・3Dモデルを搭載した故障診断サービス『Kubota Diagnostics』です。

スマートフォンをかざすことで建機内部の故障箇所や対象部品の特定をビジュアルで認識できる機能を搭載し、担当者のスキルに関係なく効率的な修理が可能になりました。顧客側のダウンタイムを削減すると同時に、業務効率化を実現しています。

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鹿児島銀行

鹿児島銀行「payどん」

鹿児島県鹿児島市に本店を置く鹿児島銀行は、地域のニーズに柔軟に応えるため、行内にモバイルアプリの開発体制を構築したいという想いを抱えていました。

同行は協業パートナーにモンスターラボを選択。技術支援やサポートを通じてアプリ開発のノウハウを蓄積し、内製化を実現しました。結果、ユーザーの利便性向上や地域活性化を目指した独自のキャッシュレスサービス『Payどん』の開発に成功しています。

サービス開発と共に人材育成にも成功し、現在も機能改善を行いながら地域の方へ寄り添った取り組みを続けています。

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まとめ:DXの知見・ノウハウの蓄積が業務改善の近道

DX推進で実現できる業務改善について解説しました。DX推進で業務改善を図るポイントは「アジャイル思考」「ツール導入の検討だけでなくサービス開発も視野に入れる」「リスキリング、DX人材育成」です。

とはいえ、DXの知見・ノウハウがない企業の場合は推進がなかなか進まず、業務の改善に至らないケースも少なくありません。場合によっては、システム開発を通じてDX人材育成や内製化を支援する外部パートナーと協業しながら、ノウハウを学んでいくとよいでしょう。

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