AI画像認識とは? 仕組みと活用事例を業界別に紹介

AI画像認識とは? 仕組みと活用事例を業界別に紹介

AIが画像データ内の被写体を特定・判別する「AI画像認識」。機械学習の手法の1つであるディープラーニングの登場により、AIが非構造化データを学習できるようになったことで飛躍的な発展を遂げています。

近年、さまざまな業界・業種のビジネスに取り入れられている注目の技術「AI画像認識」の仕組みと業界別の活用事例を解説していきます。

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AI画像認識とは?

AI画像認識とは、AIを使って画像の中に写っている人の顔や文字などを特定・判別する技術のこと。AIに膨大な数の画像データを読み込ませ学習を重ねることで、写真の中のさまざまな情報を識別できるようになります。

例えば、2012年にGoogleが発表した「Googleの猫」という研究結果が有名です。この研究の注目すべきポイントは、人間が教えなくともAIが猫を判別できたという点。

Googleは、1000万枚の画像をAIに学習させ、AIが自発的に画像内の特徴を認識・分類できるようになったと発表しました。この結果、AIが人間の力を借りずに特徴を認知できることが実証されました。この研究を皮切りに機械学習の手法の1つであるディープランニングへの注目が高まり、世界中で研究が行われるようになりました。

AI画像認識の仕組み

AI画像認識の仕組みを順を追って解説します。

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① 画像処理・抽出

AIに画像を認識させるためには、まず識別機(画像認識できるコンピュータプログラム)に画像データを入れて学習させておく必要があります。識別器に学習させる際には、画像データを識別機で読み取りやすい形にするため、画像処理抽出などの処理を行います。

この処理によって、画像の明るさや色味を調整し、ノイズ・歪みを除去するだけでなく、被写体の輪郭の抽出や背景との区別などを行うことができます。

② ディープラーニングを用いた物体認識

AI画像認識には、AIの学習方法のなかでもっとも代表的なディープラーニングという手法が用いられています。

ディープラーニングとは
簡単な関数を組み合わせて表現力の高い「深い関数」を作り、そのパラメーターをデータから推定する機械学習技術
出典:AI白書2019

ディープラーニングは、機械学習の代表的なアルゴリズムであるニューラルネットワークを活用した学習の手法。

ニューラルネットワークはニューロン(脳の神経細胞)をモデルとしたAI

ニューラルネットワークはニューロン(脳の神経細胞)をモデルとしたAI

十分な学習データさえあれば、ニューラルネットワーク自体がデータ群の特徴を自動抽出することが可能です。

★ディープラーニングについて詳しくはこちら

ディープラーニングにはいくつかの種類がありますが、画像認識に用いられるモデルはCNN(畳み込みニューラルネットワーク)と呼ばれます。画像に対する高いパターン認識能力があり、素早く識別できることが特徴です。

CNNは画像の特徴を抽出する「畳み込み層」と、特徴を分析する「プーリング層」で構成されています。

これまでの技術では、人間が特徴を設計したものに対して機械が識別をしていました。しかし、CNNを使用することで、人間が事前に特徴を定義しなくてもAIが膨大な特徴量を学習し、被写体を識別できるようになりました。

画像認識技術の種類

画像認識技術は顔認識、文字認識などさまざまな分野で応用されています。

顔認識

顔認証は、AIが人間の顔の特徴を抽出し識別する技術

顔認証は、AIが人間の顔の特徴を抽出し識別する技術

AIが人間の顔の特徴を抽出し識別する技術。カメラが取得した画像や動画から目・鼻・口だけでなく細かな特徴も抽出します。データベースに登録した顔写真との照合を行う顔認証などに用いられます。

文字認識

文字認識は、AIによって手書きの文字や紙に印刷された文字を識別する技術

文字認識は、AIによって手書きの文字や紙に印刷された文字を識別する技術

AIによって手書きの文字や紙に印刷された文字を識別する技術。スキャンされた画像データを文字認識で解読することで、手書きの文字や印刷された文字をテキストデータに変換することが可能です。

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AI画像認識の活用事例(業界別)

AI画像認識はさまざまな分野で導入されています。業界別に活用事例を紹介します。

不良品検品(製造)

キューピーは、ベビーフードに使われるダイスポテトなどの不良品検品にAI画像認識を導入しています。

当初は、不良品・良品それぞれから教師データを作る方法を検討していましたが、良品のみの教師データを作ることで不良品データの不足をカバーしました。「良品」に該当しないものをすべて「不良」として検出することで、制度が飛躍的に向上しました。

出典:キューピーアヲハタニュース

IoTスキンケア(美容)

資生堂は、マシンとアプリを使用してパーソナライズスキンケアを実現する「Optune(オプチューン)」を展開しています。

スマートフォンのカメラ機能を用いて肌を撮影するだけで、水分量、きめ、皮脂量、毛穴の目立ちなどの肌の状態を知ることができます。また、肌の状態とスキンケアの記録データは収集・蓄積され、その後のスキンケアのリコメンドに活用されます。

出典:資生堂ニュースリリース

無人コンビニエンスストア(小売)

ハウステンボスが手がけるロボットホテル「変なホテル」内の無人コンビニ「スマートコンビニ」でも、顔認証や商品の画像認識が活用されています。

店舗の入り口で顔を登録し、購入したい商品を精算用の台に並べるだけで画像が認識され、明細と支払額が表示されます。明細を確認後、顔認証を受けてから購入することができます。また、退店にも顔認証が必要です。

出典:PR TIMES

危険運転の防止(Maas)

日本カーソリューションズとNTTコミュニケーションズは、AI画像認識を活用した危険運転の自動検出に成功しました。

ドライブレコーダーなどで記録されているマルチモーダルデータをAIで分析し、飛び出してくる自転車などの接触事故となりかねない危険な運転を85%の精度で自動検出できるようになりました。

出典:NTTコミュニケーションズニュースリリース

手書き伝票の自動入力(運送)

佐川急便は配送伝票入力業務にかかる人力作業をAIが代替するシステムに画像認識を活用しています。

このシステムにより、人力業務にかかっていた月間8,400時間もの作業時間の削減に成功。時間や人といったリソースを有効活用できるようになりました。

出典:佐川急便ニュースリリース

人体を自動採寸し、適切な服のサイズをレコメンド(アパレル)

レンタルユニフォーム事業を展開するユニメイトは、AI画像認識を活用した自動採寸アプリ「AI×R Tailor(エアテイラー)」を開発。

従来の自己申告制の採寸では、ヒューマンエラーによるサイズ違いが起こりやすく、最大実績で40%もの返品率を記録していました。そこで、AI画像認識を使った自動採寸アプリを開発し、ユニフォーム精算前に正確なサイズを把握できる仕組みを創出。コスト削減・サービス改善に貢献しています。

★事例について詳しくはこちら

レシート内データの効率的な取り込みと識別(マーケティング)

キャッシュビーデータは、レシート内の購買データを収集する日本初のキャッシュバックサービス『CASHb』アプリを開発。

ユーザーが送付したレシート画像から生活者購買データを取得・活用し、B2C企業にデータを活用する機会を提供しています。

★事例について詳しくはこちら

AIを用いた胎児心臓超音波スクリーニング(医療)

理化学研究所では、AI画像認識を用いた胎児の心臓異常をリアルタイムで自動検知するシステムを開発。

このシステムでは、教師データからの学習により、粗い超音波画像に対しても画像中に映る複数の物体の位置・分類を高い性能で判別できるAI技術「物体検知技術」を活用しています。胎児期の早期診断によって治療計画を立てることが重要とされている先天性心疾患の治療に役立てられています。

出典:理化学研究所プレスリリース

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まとめ:AI画像認識は業務効率化や新規事業開発に活用されている

AI画像認識はさまざまな業界・業種に導入されています。人的・時間的リソースなどのコスト削減や業務効率化に貢献しているだけでなく、AIによって収集・分析した画像データをもとに新たなる価値を生み出し、新規事業・サービスの中で活用されています。

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記事の作成者・監修者

平田 大祐(株式会社モンスターラボ 執行役員 CTO APAC)

平田 大祐(株式会社モンスターラボ 執行役員 CTO APAC)

2004年IBMグループに入社し、IBM ITスペシャリストとしてシステム開発に従事。 2009年からベンチャー企業にて受託開発、コンテナ型無人データセンターの管理システム、ドローン開発などソフトウェアからハードウェア開発まで幅広く関わる。チーフテクノロジストとして2015年にモンスターラボへ入社し、2018年4月より最高技術責任者であるCTOに就任。 プロフィールはこちら