不動産業界におけるDXとは? 企業が抱える課題とDX推進の成功事例やポイントを解説

不動産業界におけるDXとは? 企業が抱える課題とDX推進の成功事例やポイントを解説

近年、さまざまな業界においてDX推進が課題とされるなか、不動産業界においてもデジタルを活用した業務効率化やコスト削減、消費者のニーズの変化に合わせた柔軟なサービスの開発が急務となっています。

不動産業界におけるDXの課題として、旧来のレガシーな商習慣から脱却しづらいといった業界特有の問題が指摘されてきましたが、近年はコロナ禍を契機に急速にDX推進の勢いが増しています。

本記事では、不動産業界が抱える課題、DX推進の重要性やメリットを解説。企業の成功事例や不動産テックとの関連性も合わせて紹介します。
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不動産業界の現状と課題

不動産業界のDXについて解説する前に、業界の現状と課題を整理します。

旧来のアナログな商習慣が変革されつつある

これまで、不動産業界のDXを阻む要因として、業界特有のアナログな業務フローからの脱却が困難である点が指摘されてきました。

実際に、不動産の売買、賃貸物件の契約業務の現場において、紙の書類や資料、電話、FAXなどが頻繁に用いられていることや、物件の内見や来客対応などの対面での業務はデジタル化しづらいことから、現場にアナログかつレガシーな商習慣が根付いているケースが多く見られます。

しかし、コロナ禍を経てテレワークが急速に浸透し、不動産業界においてもDXが推進されつつあります。

総務省の通信利用動向調査報告書(企業編)

総務省の通信利用動向調査報告書(企業編)

令和2年に発表された総務省の通信利用動向調査報告書(企業編)の調査では、令和元年のテレワーク導入率が25.4%であったのに対し、68.1%まで上昇したことが明らかになっています。

消費者のニーズの変化

従来の不動産探しは、不動産屋を何件も回って物件を吟味するのが一般的でしたが、近年はインターネットで情報収集するのが主流に。

スムーズな物件の情報収集だけでなく、場所や対面・非対面にとらわれない内見及び手続きができるサービスを求められるようになるなど、ユーザーニーズは時代に合わせて変化し続けています。

不動産業界のDXを実現するには、デジタルを活用して変化し続けるユーザーニーズに柔軟に対応できるサービスを開発することが重要です。

不動産DXで実現できること

不動産DXを推進することにより、どのようなメリットが得られるのでしょうか。それぞれ詳しく解説します。

業務効率化

アナログ作業をデジタルに移行することにより、業務効率化を図ることが可能です。

例えば、ツールの導入により、手作業の自動化やヒューマンエラーの防止、人件費や工数などのコスト削減にもつながります。

また、情報をデジタルで管理することにより、部署間、社内外での情報共有も容易になります。

労働環境の改善

デジタルを活用することで従来の手作業や単純作業にかかっていた工数が削減できるため、長時間労働や人手不足などの問題解決にも効果的です。

また、高度なスキルが求められる物件査定などの業務も、ツールを導入することで若手社員でも対応が可能になり、経験値による業務の偏りを減らすことができます。

顧客満足度の向上、新規顧客獲得

ユーザーニーズの変化に合わせたサービス開発や改善を繰り返すことは、新規顧客の獲得や顧客満足度の向上につながります。

その際、インターネットでの物件探しが主流になりつつある時代において、AIやビッグデータなどのデジタル技術の活用は必須。

また、新規サービス開発を成功させるには、競合が提供できていない新たな価値を持つビジネスをスピーディーに開発していくことが重要です。

顧客体験とスピード感を重視した注目の開発手法「アジャイル開発」とは?

不動産テックとの関連性

不動産DXとよく似た言葉に、不動産テックという言葉があります。

一般社団法人 不動産テック協会は不動産テックを以下のように定義しています。

◆不動産テックの定義
不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと。
参照:一般社団法人 不動産テック協会

不動産テックの対象とする領域は、単なる業務効率化や人手不足の解消だけでなく、テクノロジーを活用した新たな顧客体験や収益モデル、プラットフォームの創出と多岐に渡ります。

つまり、ひとくちに不動産テックと言ってもサービスは様々な業種・業界に渡ります。不動産テック協会がまとめた「不動産テックカオスマップ」では12のカテゴリーごとに各サービスを紹介しています。

不動産テック協会「不動産テックカオスマップ」

不動産テック協会「不動産テックカオスマップ」

★不動産テックについて詳しくはこちら

重要なのは、不動産DXや不動産テックは単なるデジタル化や業務効率化だけを目的としたものではないということ。

DXを成功させ、市場において競合優位性を得るためには、テクノロジーを活用して変化し続けるユーザーニーズに合った新しいビジネスを開発し続けていくことが大切です。

不動産DXの成功事例

長谷工コーポレーション

大手ゼネコンの長谷工コーポレーションは、顧客の新築分譲マンション探しをサポートするための新サービス『マンションFit』を提供。

同社のビジネス戦略上の課題は、「誰に相談して、どのように準備したらいいのかわからない」「住まいの希望条件を尋ねられてもイメージが湧かない」といったマンション購入検討の初期段階にある潜在顧客への新たなアプローチ方法を模索することでした。

LINE上で『マンションFit』の公式アカウントを「友だち」追加して簡単な質問に回答するだけで、購入者データをもとにしたおすすめ物件情報が見られるほか、営業担当者のつかない非対面のモデルルーム見学予約を実現しています。

★事例について詳しくはこちら

三井不動産

三井不動産は、自社のDX推進事例をまとめた「2020 DX白書」を公開するなど、不動産業のイノベーションをリードする企業。

法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」の提供やAIカメラ「OPTiM AI Camera」を活用したオンライン内見の導入など、業務効率化や働き方改革だけでなく、ユーザーニーズに合わせた新サービスを開発しています。

野村不動産

野村不動産も、DX推進において自社の業務効率化と新規サービス開発によるユーザーニーズの対応を実施しています。

契約書類手続きの電子化ツール「Musubell(ムスベル)」の導入により、契約手続きにかかる業務コストを削減。また、住宅ローンの業務専用のアプリ「野村の仲介+(プラス)いえーるダンドリ」により顧客の受託ローン業務の効率化に成功しました。

GA technologies

GA technol0giesは、経済産業省と東京証券取引所が実施する「DX調査2020」においてDX銘柄に認定された企業。

AIを活用した中古不動産の総合プラットフォームだけでなく、不動産オーナーの資産管理アプリを提供することでユーザーの利便性を高め、不動産取引プロセスのデジタル化を推進した業務改善にもいち早く取り組むなど、不動産業界のDXを牽引しています。

まとめ

不動産業界の現状やDX推進の重要性について解説してきました。

DX成功のポイントは、業務効率化や働き方改善だけにとどまらない、時代の変化に合わせた新規サービスを開発すること。

ユーザーニーズを敏感にキャッチし、競合の提供できていない新たな価値を生み出すビジネスをスピーディに生み出すことが重要です。

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記事の作成者・監修者

宇野 智之(株式会社モンスターラボ 上級執行役員 デリバリー統括責任者)

2003年に独立系大手システムインテグレーション企業に入社。エンジニアを経て、PMとして組み込み/MobileApp/Webシステム開発案件を担当。大規模案件のマネジメントやオフショア開発を複数経験する。海外エンジニアとの開発における課題を解決することで、日本のIT人材不足の解決に貢献したいと考え、2015年にモンスターラボへ入社。2015年に豪州Bond University MBA取得。入社後はPM、PMO業務および組織マネジメント業務を担当。 2019年より、執行役員 デジタルコンサルティング事業部副事業部長・開発統括。2021年より上級執行役員 デリバリー統括責任者。 プロフィールはこちら