VR(仮想現実)とは? 意味やARとの違い、ビジネスでの活用事例を解説

VR(仮想現実)とは? 意味やARとの違い、ビジネスでの活用事例を解説

VRとは「仮想現実」とも呼ばれ、デジタル世界に没入したような体験ができる技術。

エンタメ分野を筆頭にさまざまな分野でVRが活用され、コロナによる移動制限も影響し、注目を集めています。

今後ビジネス上での幅広い活用が期待できるVRについて、理解を深めておきましょう。

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VR(仮想現実)とは?

VRは「仮想現実」と呼ばれ、「人工現実感」という訳が用いられることもあります。VRとは何なのか、簡潔に説明します。

★VRとは
・VRは「Virtual Reality」の略で「仮想現実」と訳される
・VRデバイスを装着することで仮想空間に入り込んだような体験が可能
・エンタメ分野に限らずさまざまな業界で活用され始めている

VRの意味

VRは「Virtual Reality」の略で、日本語では一般的に「仮想現実」と訳されます。

VRゴーグルなどのVRデバイスを装着することで、360度広がるデジタル上の仮想空間に没入したような体験が可能です。この、デジタル上の仮想空間や、仮想空間を作り出す一連の技術を「VR」と呼びます。

一般的に、3次元の空間性に加え、実時間との相互作用(行動に反応して空間がリアルタイムに変化すること)、自己投射性(自分自身が空間に入りこめること)の要素があるものをVRと定義しています。

VRでできること

VRでは、今までは2次元でしか体験できなかったデジタル上の空間に入り込むことができます。それを可能にするのが、VRゴーグルです。VR用のウェアラブルデバイスを装着することで、360度広がる3次元空間に没入できます。

近年では、VRへのより深い没入感を得るために、視覚や聴覚に加え、前庭感覚(重力や傾きに対するバランス感覚)や、体性感覚(温度や痛覚などの感覚)を刺激する演出なども増えてきています。

VRはエンターテインメント分野での活用が目立ちますが、観光や医療などの分野でも積極的に導入されています。

VRの歴史

実はVRの歴史は意外と古く、1935年のアメリカのSF小説『Pygmalion’s Spectacles』の中でVRゴーグルのもととなるテクノロジーが描かれており、これがVRの先駆けだと言われています。

VRは1960年代に研究が始まり、1990年代にはVRという言葉や概念が少しずつ世の中に浸透してきました。実際にVR要素のあるゲーム機が1990年代にも開発されていましたが、画質の粗さなど技術面の不足により普及には至りませんでした。

その後、グラフィック技術が飛躍的に進化し、2016年には「PlayStation VR」をはじめとするさまざまな家庭用VRゲーム機器が販売されました。そのため、2016年は「VR元年」と呼ばれることもあります。

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VRの仕組み

それでは、VRはどのように3次元空間への没入感覚を生み出しているのでしょうか。VRの仕組みについて簡単に解説します。

映像を立体視できる理由

VRでは、なぜ映像が立体的に見えるのでしょうか。それは、「両眼視差」が関係しています。

「両眼視差」とは、左の目と右の目、それぞれの目で見る時の差異のことです。片目ずつ目をつぶると視野の中のものがずれて見えるように、左の目と右の目は普段異なる映像を見ています。このずれを脳が補うことで、私たちは立体的にものが見えるのです。

VRでは、この両眼視差を意図的に起こすために、VRゴーグルの右目と左目で異なる映像を流しています。この異なる2種類の映像を脳が合成することで、映像を立体的に捉えることが可能となっています。

顔の向きに合わせて映像が動く理由

VRゴーグルにはセンサーが内蔵されており、顔の向きを感知します。

VRの空間内の映像は180度や360度など、人間の視野よりも広い範囲で撮影・作成されています。人間の視野は120度程度なので、一度にVR映像のすべてを見渡すことはできません。

VRゴーグルをつけている人が顔を動かすと、顔の向きをセンサーが感知し、向きに合わせて投影する映像の範囲を変えています。そのため、3次元の空間のように視点に合わせて映像が動くように感じるのです。

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VRとARの違い

VRに関連して、「AR」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。両者は似ているようで異なる言葉です。ARとは一体何のことで、VRとどう違うのでしょうか。

AR(拡張現実)とは

ARは「Augmented Reaity」の略で、「拡張現実」と呼ばれます。ARはスマートフォンやARゴーグルなどのデバイスを利用し、現実世界にナビゲーションや3Dデータや動画などを表示させる技術です。

スマートフォンによって活用できるARはすでにさまざまなサービスに導入されています。スマートフォンのカメラで外国語を映すと、日本語に翻訳されて表示される「Google翻訳」などがARの活用例として挙げられます。

★詳しくはこちら
AR(拡張現実)とは? 意味やVRとの違い、ビジネスでの活用事例を解説

VRとARの違い

VRとARには以下のような違いがあります。活用方法を比べると、両者はまったく異なるものであることがわかります。

  • 仮想空間への没入(VR)と現実世界の拡張(AR)
  • ウェアラブルデバイスの必要有無

VRは3次元の仮想空間そのものに入り込む体験ができますが、ARは現実世界にデジタル映像を投影させるものです。VRが現実感のある仮想の空間を作りだすものだとすると、ARはあくまで現実世界がベースとなっています。

また、ARはスマートフォンさえあれば利用でき、VRゴーグルのような専用のウェアラブルデバイスを必要としません。その分手軽に利用でき、現実世界の拡張という点からも、ARの方がVRよりも日常的に利用される機会が多い傾向にあります。

VRを体験するために必要な機器

前述したように、VRを体験するには専用のゴーグルが必要です。他にも、スマートフォンやゲーム機など、コントローラーとなるものもVRを利用する上で欠かせません。VRに必要な機器を紹介します。

VRゴーグル(ヘッドセット、マウントディスプレイ)

VRゴーグルは立体的な3次元空間を投影するために欠かせない機器で、VRヘッドセットやヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれることもあります。どのタイプも目を覆うように映像を投影します。

VRゴーグルには主に以下の3種類があります。

  • VRゴーグル(スタンドアロン型)
  • PC用VRゴーグル
  • スマートフォン用VRゴーグル

スタンドアロン型には、ディスプレイやコンピュータがVRゴーグル内に内蔵されているため、他の機器に接続せずともVRを体験できます。近年では医療用に開発されたスタンドアロン型VRゴーグルなども登場しています。

PC用VRゴーグルは、コンピュータに接続して利用するゴーグルです。PCがハイスペックであればあるほど、高性能・高解像度のVRを楽しむことができます。

スマートフォン用VRゴーグルは、スマートフォンを利用するもので、段ボール性の安価なものも販売されています。性能はそこまで高くありませんが、手軽に利用できるのが特長で、不動産のバーチャル内見などに活用する例も見られます。

スマートフォン、ゲーム機

ゲームなど、VR内での移動が重要となる場合には、移動をコントロールするスマートフォンやゲームコントローラーが必要です。

VRは仮想の空間であるため、空間内を移動する時、実際の3次元空間で動き回るわけにはいきません。そのため、VR内での移動をコントロールするために、スマートフォンやゲームコントローラーに接続する必要があります。

一方、VRを利用した映像の視聴のみを目的とする場合には、コントローラーはいりません。

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業界別VR活用事例

VRはさまざまな業界で活用されており、活用分野は年々広がってきています。VRの代表的な例を以下で紹介します。

エンターテインメント

エンターテイメントにVRを活用した例

出典:https://www.usj.co.jp/web/ja/jp/events/universal-cool-japan-2022/monster-hunter

VRの筆頭といえば、エンターテインメントです。「PlayStation VR」など家庭用ゲーム機が注目を浴びていますが、大阪のテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)ではアトラクションの1つに導入されています。

来場者はVRゴーグルをつけると、人気ゲーム「モンスターハンター」の世界を体験できます。雪山でモンスターを狩る臨場感は、VRならでは。2022年1月から8月までの期間限定アトラクションとして、話題を集めています。

スポーツ

VRはより臨場感のあるスポーツ観戦のためだけでなく、トレーニングにも活用されています。

仙台のプロ野球球団である東北楽天イーグルスは、世界初のVRトレーニングシステムの導入を2016年に発表しました。VRをつけると、打席から見た空間が投影されます。膨大なデータにもとづく相手球団の投手の投球を体験でき、実際の打席に備えることが可能です。

データの収集・処理とも相性がよいため、シーズン中に採取した相手投手の最新情報を常にアップデートすることが可能です。

観光

VRを観光で活用した例

出典:https://firstairlines.jp/

新型コロナウイルスの拡大によって物理的な移動が難しくなってしまったため、バーチャル旅行の需要が今までにないほど高まっています。

池袋から飛行機・海外旅行体験ができるVRサービスを提供するのが、FIRST AIRLINESです。飛行機を模した空間で、キャビンアテンダントの接客や機内食を楽しみます。その後、VRゴーグルでパリやニューヨークなど海外都市の街並みを見学し、現地の人とコミュニケーションを取りながらバーチャル旅行を味わえます。

新しい旅行の形として、大きな話題を呼びました。

医療

医療分野において、VRは研修目的で活用されることがよくあります。

スタンフォード大学では、子供の心臓の機能や疾患を学ぶためのVR「スタンフォード・バーチャルハート(The Stanford Virtual Heart)」が用いられています。スタンフォード・バーチャルハートは3次元の心臓で、研修生は心臓がどう動くのかを見たり、心臓を開いて内部を観察したり、血液の循環を確認したりできます。

仮想の映像で心臓の動きを立体的に確認できるため、2次元の映像で学習するよりも高い学習効果が得られると評価されています。

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スカンジナビア航空は、北欧の魅力を伝えるための360度ムービーをYouTubeにて公開しました。VRゴーグルなしでも上下左右を自由に見渡せますが、VRゴーグルがあると映像を立体的に楽しめます。

ヘラジカなど野生動物が隠れていたり、空を見上げればオーロラが広がっていたりします。空間内を自由に移動することはできないのですが、このようなパノラマ映像もVR活用方法の一環だと言えるでしょう。

VRが提供する臨場感は、広告プロモーションとも相性がよいことがわかります。

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まとめ|3次元映像・空間の活用方法が今後のカギに

今回はVRについて紹介しました。VRの歴史は意外と長く、活用される分野が広がっています。

コロナの影響で物理的な移動が難しくなってしまった現在では、VRの「没入感のある仮想空間体験を提供する」という特徴が大きく注目されています。3次元の映像や空間の活かし方を考えることで、VRの効果的な利用方法を見出すことができるでしょう。

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記事の作成者・監修者

平田 大祐(株式会社モンスターラボ 執行役員 CTO APAC)

2004年IBMグループに入社し、IBM ITスペシャリストとしてシステム開発に従事。 2009年からベンチャー企業にて受託開発、コンテナ型無人データセンターの管理システム、ドローン開発などソフトウェアからハードウェア開発まで幅広く関わる。チーフテクノロジストとして2015年にモンスターラボへ入社し、2018年4月より最高技術責任者であるCTOに就任。 プロフィールはこちら