成功するアプリ開発の企画書を作るためのポイント10個

成功するアプリ開発の企画書を作るためのポイント10個

本記事ではアプリ開発の経験が少ない方のために、アプリ開発の企画に関する重要なポイントを10個まとめてご紹介します。

アプリ開発を制作会社に発注する際にアプリの企画に必要な考え方を押さえておくと、プロジェクトの成功確率が大きく高まるので、ぜひ参考にしてください。

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アプリを企画する前に考えるべきこと

まずは、アプリ開発のスタートラインとなる企画を検討する際に考えるべきポイントから解説していきます。

ポイント① なぜそのアプリを作るのか?

アプリ開発を検討している方は、解決すべきビジネス上の課題を抱えていたり、新しいビジネスの可能性に対する期待感を抱いているはず。アプリ開発の企画段階でまず初めに考えなければならないのが、「課題解決や目標達成のために、どのような手段で、どのような施策を行うべきか」ということです。

「なぜ今アプリを作るのか?」「アプリでなければ解決が難しいのか?」と自問自答して、アプリ開発の目的をはっきりさせることが肝心です。

はじめに「アプリ開発の先にあるゴールはなんなのか」という部分を明確にしておくことは、アプリ開発の企画を検討する上で非常に重要なポイントです。

ポイント② ターゲットユーザーのことを理解できているか?

ターゲットユーザーへの理解が足らなければ、アプリやWebサービスの開発を成功させることはとても困難なものになってしまうでしょう。

リサーチや分析をしっかりと行わずに「こんなアプリやWebサービスが求められてるのではないか?」と思い込みでサービスを開発しても、実際にはユーザーニーズにまったくマッチしていなかったというケースも多々あります。

せっかく開発したアプリが誰にも使われなかった…ということにならないように、アプリの開発や企画を始める前にビジネスのターゲットを明確に定義しておきましょう。

ターゲットユーザーについては、以下のような項目を意識して考えるといいでしょう。

★ターゲットユーザーについて考える際に意識すべきこと

  • ユーザーの属性情報
  • ユーザーが今置かれている状況
  • ユーザーが今困っていること
  • ユーザーの具体的なニーズ
  • ユーザーの類似アプリ / サービスに対する印象
  • ユーザーのネット利用状況(ソーシャルメディアなどの行動情報、購入履歴)

上記の項目を意識することで、「ユーザーがどんな人なのか」「今どのようなニーズがあるのか」「どんなタイミングで自社のアプリやサービスを使用してもらうのか」といったユーザーの背景や利用シーンを具体的にイメージできるようになります。

ポイント③ ユーザーに価値をもたらすものになっているか?

アプリやWebサービスを企画する際、「ユーザーにどのような行動を取って欲しいか」という企業側の思惑やメリットばかりをついつい考えてしまいがち。

しかし、最も大切なのはユーザーの立場になって考えることです。現在、企画・開発中のアプリは「ユーザーにメリットをもたらす機能があるのか」「本当にユーザーのニーズを満たせるものなのか」といった部分をしっかりと考えるようにしましょう。

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アプリ開発に入る前に決めておくべきこと

続いて、アプリ開発に入る前に最低限の前提としてあらかじめ決めておくべきポイントを解説していきます。

ポイント④ ネイティブアプリ、Webアプリのどちらにすべきか?

アプリにはWebブラウザ上で使用する「Webアプリ」とスマートフォンやタブレットにダウンロードして使用する「ネイティブアプリ」の2種類があります。

多くの方が日常的に“アプリ”と呼んでいるのは、ネイティブアプリを指すことが多いでしょう。iPhoneなどのiOS端末ならSwiftやObjective-C、Android端末ならJavaやKotlinAVAなどの複数の開発言語で作られています。

また近年では、一つの開発言語で複数のOSに対応できるよう、FlutterやReact Nativeなどのクロスプラットフォームなフレームワークが注目されており、保守性向上などによる長期での開発コスト削減が図られています。

端末の種類や開発言語、または開発チームのスキルセットにより開発の難易度が大きく変わるため、開発を始める前に「どのタイプのアプリを開発するのか」を詳しく決めておく必要があります。

Webアプリとネイティブアプリの特徴を下記に簡単にまとめますので、ぜひ参考にしてください。

★Webアプリの特徴

Webブラウザ上で動作するWebアプリには「OSごとに開発をしなくてもいい」、「ストア公開申請は不要」といったメリットやユーザー側においても、「インストールが必要ない」「バージョンアップ後のダウンロードが必要ない」というメリットがあります。比較的開発の工数が少なくて済むのが特徴です。

一方で、インターネット環境下でしか利用できない」、「Webアプリをメンテナンスする場合はサービスが一時的に利用できなくなるため、ユーザー通知などのケアが必要」、「動作環境のスペックに依存するため、端末が高スペックであってもその恩恵は受けられない」といったデメリットが挙げられます。

★PWAについて詳しくはこちら:

★ネイティブアプリの特徴

ネイティブアプリは、デバイス(端末)ごとの開発が必要。iOSとAndroidの両方に対応する必要がある場合は、より工数が掛かるため、クロスプラットフォームなフレームワークの導入も視野に入れる必要があります。また、OSのバージョンアップなどに伴う改修コストも念頭に入れておかなければいけません。(OSバージョンアップにより機能が利用できなくなり、UIを再度検討するといったケースもあります)

しかし、動作が速いことやiOS・Androidアプリのマーケット導線が使えるといったメリットがあります。また、スマホのアプリからエアコンの電源を入れるなど、様々な「モノ」とインターネットで接続し、デバイスと連携させることができます。

その他、webアプリのデメリットで挙げた「インターネット環境下でしか利用できない」に対し、ネイティブアプリはインターネット環境のないオフライン環境下でも利用が可能です。

★ネイティブアプリについて詳しくはこちら:


実装したい機能、ユーザー体験、掛けられるコスト、開発期間など、もろもろ総合的に考えてWebアプリとネイティブアプリのどちらで実現するのかを決めましょう。

また、Webアプリとネイティブアプリの特性を組み合わせて開発する「ハイブリッドアプリ」というタイプもあります。どのタイプのアプリで開発すればがいいのかわからないとう方はお気軽に下記のフォームからお問い合わせください。

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ポイント⑤ どのプラットフォームやデバイスに対応させるか?

iPhoneやiPadといったiOS端末に対応させるのか、Android端末に対応させるのか、両方に対応させるのか。スマホアプリを開発する場合、まずは対応するプラットフォーム(OS)を決める必要があります。

どちらのプラットフォームにも対応したいけど、コストや期間的に一方のみの対応にせざるを得ない場合もあるでしょう。そんなときは、ターゲットユーザーのスマートフォンやタブレット、デスクトップの利用状況を分析してみてください。また、App StoreやGoogleplayの特徴を考慮してみるといいでしょう。

また、プラットフォームの問題だけでなく、対応機種についても思案する必要があります。例えばiPhoneの場合、iPhone 6s以前の古い機種にも対応させるのかといったように機種のモデルも重要な要素になります。

一般的に、アプリを対応させるプラットフォーム(OS)やデバイスが多岐に渡るほど開発に工数がかかります。開発費用の増加や開発期間の延長にも繋がっているので、予算と相談しながら検討してみてください。
場合によっては、段階的なリリースも視野に入れて計画を立てるといいでしょう。

ポイント⑥ 最低限実装すべき機能は何か?

アプリやWebサービスの開発経験が少ない人は、盛り込みたい機能をすべて完璧に実装してからでないとリリースができないと考えがちです。

しかし、IT業界の動きはあまりに早く、競合に遅れをとらないように最低限の機能を実装した時点でリリースしてしまうスタイルが最近では主流になっています。

その後はユーザーの反応を見ながら改善を行なっていくことになるので、段階的にリリースしていく機能についてもあらかじめプランを立てておくといいでしょう。

★アジャイル開発について詳しくはこちら:

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ビジネス面で成果を出すために考えておきたいポイント

企業がアプリ開発をするにあたって、当然のようにビジネス面での狙いがあります。しかし、当面の課題解決に集中するあまり、その根底の部分を見落としてしまうことも……。

ここではビジネスとして成功させるために考えておきたいポイントを解説していきます。

ポイント⑦ “ユーザー思考”と“ビジネス(収益)”のバランスはとれているか?

アプリやWebサービスで成功を収めるためにはユーザーファーストの思考が重要ですが、同時にビジネスとして成立するかどうかもしっかり考えたうえで企画しなくてはなりません。

「どのような方法でどの程度の収益が見込めるのか」「なぜユーザーがこのサービスに対価を支払ってくれるのか」とビジネス的な視点で仕組みを考え、長期的に存続するビジネスモデルを作る必要があるでしょう。

ポイント⑧  アプリの容量はどのくらいになりそうか?

あらかじめデバイスにダウンロードしてから利用するネイティブアプリでは、アプリのデータサイズへの配慮も重要です。

たとえば、アプリ内で大量のコンテンツを保存して提供する代わりに、(awsなど)クラウド経由でコンテンツを配信することが挙げられます。ただし、この方法を使うと、クラウド費用やデータ通信量(インターネット接続)も考慮が必要です。
あるいは、軽量のフレームワークを使用することで、アプリのデータサイズを抑えることが可能です。

最近のスマホのストレージ容量は増加傾向にありますが、ユーザーの利用状況や使用している機種によってはデータサイズの大きさがネックになってしまうかもしれません。

ポイント⑨  どのくらいの期間使われるアプリにしたいか?

アプリ開発会社のCertatimの分析によると、一般ユーザーは非常に飽きやすい傾向があります。世の中に出回っているアプリの75%は非アクティブで、二度とダウンロードすらされないそうです。

つまり、常にトップのポジションをキープしなければ、一般ユーザーからどんどん忘れ去られてしまうということです。
そうならないために、定期的にユーザーのフィードバックを収集・分析し、新機能の追加やUX/UIの改善等のアップデートを想定しておくの仕掛けや仕組み、定期的なアップデートを企画段階から計画に盛り込んでおく必要があります。

★UX/UIの改善について詳しくはこちら:

ポイント⑩  デザインとユーザビリティに対する開発者の理解があるか?

アプリは見た目が美しいだけでなく、直感的な操作を簡単に行えることが非常に重要です。

妥協できないポイントなので、一緒にアプリを作り上げていく開発者がデザインやユーザビリティに理解のある人かどうかという部分も重要な視点になります。

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まとめ:アプリ開発の成功は企画段階の準備にかかっている

アプリ開発の企画段階はもちろん、アプリのリリース後もさまざまな戦略を考えてアプリを成長させていくと思います。

その戦略が理に叶ったものであるかどうかを判断するために紹介したいのが以下の指標です。

・その戦略は取引量を増やし、また収益を増やすことに繋がるか?
・その戦略は利用者を増やし、また保持することに繋がるか?
・その戦略はブランド認知とロイヤリティの向上に繋がるか?
・何人の人にこのアプリを使ってもらいたいか?
・その戦略はコスト削減に繋がるか?
・その解決策とソーシャルメディアの戦略をどう統合するか?
・その戦略と既存の分析ツールとをどう統合するか?

参照元: 10 Things to Plan for when developing a Mobile App/MashableAsia

いかがでしたでしょうか。アプリ開発を企画段階から制作会社に丸投げしてしまうのも1つの手段ですが、発注する側の企業担当者が企画段階で考えるべきことをしっかり理解していれば、より良い企画を立てることができます。

とはいえ、アプリ開発の成否を分けるといっても過言ではないほどに重要なのが企画。

アプリ開発の経験が少ない方や今ひとつ自信がないという方は、開発のプロである制作会社と企画段階から協力していくといいでしょう。

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Q

アプリを企画する際に気をつけることは?

A

アプリを開発する前に、アプリを制作する目的(ビジネスゴール)やターゲットユーザーを明確にしておくことが肝心です。詳しくは、アプリ開発の基礎知識をまとめたe-bookをご覧ください。

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モンスターラボは、約20年にわたるサービス・プロダクト開発実績から得られたデジタル領域の知見や技術力を活かし、デジタルプロダクト開発事業を展開しています。

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記事の作成者・監修者

陳 佳妤(株式会社モンスターラボ ソリューションアーキテクト)

陳 佳妤(株式会社モンスターラボ ソリューションアーキテクト)

エンジニアとしてWebアプリの新規開発や機能改修に携わり、エンジニアリングスキルを磨きました。その後、ERPベンダーに転職。ERP製品の保守・運用を担当し、システムの安定運用と機能拡張に貢献。 23年にモンスターラボに入社し、これまでの経験を活かしながら、要件定義や基本設計などの上流工程にチャレンジしています。