メタバースとは? 今話題のNFTやエンタメ業での活用事例から注目ポイントを解説

メタバースとは?今話題のNFTやエンタメ業での活用事例から注目ポイントを解説

メタバースはデジタル上の仮想空間のことを指します。しかし、まだその定義は確立されておらず、発展途上の概念です。メタバースはNFTの活用などにより新たな経済圏として注目されており、エンタメ分野に限らない可能性を求め、さまざまな企業が参入し始めています。今回はメタバースの活用事例や注目ポイントを重点的に解説します。

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メタバースの意味・定義

メタバースはインターネット上の3次元の仮想空間を表す言葉です。「超越」という意味の「Meta」と、「世界」「宇宙」という意味の「Universe」という言葉が組み合わされ、「Metaverse(メタバース)」と呼ばれるようになりました。

と言っても、メタバースの概念は現在も漠然としており、確立された定義があるわけではありません。しかし、メタバースと呼ばれるものは以下のどれかにあてはまる傾向にあります。

・インターネットを介して人とリアルタイム・同空間でのやりとりができる
・独自の経済圏がある
・現実との連動性がある

また、メタバースにおける3次元のデジタル空間に入るにはVRゴーグルが必要となります。

★まとめ
・メタバースはインターネットに接続された3次元の仮想空間
・メタバースの概念も言葉の定義も発展途中
・メタバース体験のためにはVRゴーグルを必要とすることが多い

メタバースが注目される理由

メタバースはまったく新しい概念というわけではありません。例えば、Secound Lifeというメタバースの先駆け的な存在が2006年に登場し、世の中を賑わせました。

2021年後半から再びメタバースが注目されるようになった理由は、Facebookの企業名変更の影響が大きいと言えるでしょう

FacebookはSNS企業からメタバース企業へ転身すべく、2021年10月に社名を「Meta」に改めることを発表しました。この件で、メタバースという言葉は一気に市民権を得るようになります。

さらに、NFTによってデジタルデータに価値を持たせられるようになったことで、メタバース内でデータの売買が行えるようになり、メタバースに独自の経済圏が発生するようになりました。これにより、新たな機会創出を狙った企業が増え、メタバースに注目が集まっています。

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AR・VRとの関連性

「仮想空間」と聞くと、ARやVRを思い浮かべる方がいるかもしれません。以下では、ARやVRとメタバースの関連性について説明します。

ARとは・ARとメタバースの関連性

ARは、「拡張現実(Augmented Reality)」の略で、デバイスを介して現実世界にデジタルデータを表示させる技術のことです。

メタバースは「インターネット上の仮想空間」のことなので、現実世界がベースとなるARとはまったく別のものとして語られる傾向にあります

一方、現在「ARメタバース」の開発も進んでおり、ポケモンGOの開発元であるNiantic(ナイアンティック)は現実世界にメタバースをもたらすための「リアルワールドメタバース」を掲げています。ARメタバースは本記事で説明しているメタバースとは異なる概念ではありますが、ARも広義な意味ではメタバースとしての開発が進んでいることにも留意しておくとよいでしょう。

★ARについて詳しくはこちら

VRとは・VRとメタバースの関連性

VRは「Virtual Reality(仮想現実)」の略で、3次元のデジタル空間のことを指します。VRはメタバースと非常に親和性が高く、両者の区別をあいまいにしたまま語られることもよくあります。

メタバースを体験するにはVRゴーグルを用いることもあります。そのため、仮想空間のことを「メタバース」と呼び、アクセスするための手段や方法を「VR」と呼び分けることがあります。また、PlayStation 4のように1人でプレイする閉じた空間をVRと呼び、インターネットで複数人と繋がり、経済活動があるものをメタバースと呼ぶこともあります。
いずれにしても、現在はまだVRとメタバースを明確に分ける違いが確立されているわけではありません。

★VRについて詳しくはこちら

ブロックチェーンとの関連性

また、メタバースを語る上で非常に重要な要素がブロックチェーンです。ブロックチェーンの技術により、メタバースに注目が集まったと言っても過言ではないほど、メタバースを語る上で欠かせません

以下では、ブロックチェーンとメタバースの関連性について解説します。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは仮想通貨に使われているデータベース技術のことです。ブロックチェーンは1つのデータを複数箇所で管理しているため「分散型台帳」とも呼ばれ、データの改ざんが非常に難しくなっています。

「データの改ざんがほぼ不可能」、つまりブロックチェーンによってデータが「唯一無二のものである」証明が可能となりました

そして、この唯一性がデジタルデータに価値を生み出すようになりました。この価値のあるデジタルデータを売買する場としてメタバースが利用され始めています。例えば、ゲーム内のアバターやアイテム、メタバース内の土地などが資産価値のあるデータとして実際に取引されています。

「NFT」が新しいビジネスを生んでいる

ブロックチェーンによる、データを唯一無二のものと証明できる機能を利用したのが「NFT(非代替性トークン)です。これは、デジタル資産の所有者を明確にできるもので、オリジナルデータを所有することに価値が生まれるようになりました。

「NFTアート」としてデジタルアートのデータ所有権の売買が行われており、日本人VRアーティストのせきぐちあいみ氏のNFTアートが約1,300万円で落札されたこともあります。このように高価な取引をされているNFTアートもあり、投資商品としても注目を浴びています

例えば、デジタルデータとしてのコスチュームや武器などもNFTとして売買できます。売買したNFTをメタバース内で利用できるよう開発が進んでいます。

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メタバースの活用例

メタバースはエンタメ業界のイメージが強いかもしれません。実際にはどのように活用されているのでしょうか。

メタバースの活用例を以下で紹介します。

ゲーム

出典:https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/happyhomeparadise/index.html

出典:https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/happyhomeparadise/index.html

メタバースの導入が進んでいるのがゲームです。例えば、日本発の「あつまれ どうぶつの森」も広義ではメタバースに含まれます。

「あつまれ どうぶつの森」は、ゲーム内の世界にアクセスすることを「移住」と呼びます。従来のゲームと異なり、あらかじめ用意されたシナリオに沿ってゲームを進めるものではなく、他者との交流などを通じて仮想世界を楽しむものとなっています。

Decentraland(ディセントラランド)」はブロックチェーンを利用したメタバースプラットフォームです。仮想通貨によるメタバース内の土地売買、自分の土地でのイベント開催、アプリケーションの販売、アバターを使ったフェスへの参加などが可能で、現実世界に非常に近い体験ができます。

オンライン会議

出典:https://about.fb.com/ja/news/2021/08/horizon-workrooms/

メタバースは3次元の仮想空間であり、物理的な制約を取り払うことが可能です。その点に注目し、Metaはバーチャル上で会議ができる「Horizon Workrooms」を開発しました

Zoomなどのビデオ会議システムとは異なり、VRゴーグルをつけることによって複数人と同じ空間を共有しながら会議ができるプラットフォームです。

アバターを通じ、相手がまるで目の前にいるような臨場感があるので、リモートワークによるコミュニケーションの障壁を取り除くものとして期待が集まっています。

空間にあるホワイトボードに書き込んだり、空間自体をカスタマイズしたりすることもでき、遠く離れた相手とオフィスを共有しているような体験が可能です。

メタバースの始め方

それでは、メタバースはどのように始めればよいのでしょうか。どのように導入・活用が進んでいるのか、ということを説明します。

エンタメ分野を中心に活用が広まっている

メタバースはエンタメ分野を中心に活用が広がっており、「メタバースプラットフォーム」を提供する企業が増えてきています。

例えば、「もっとも敷居の低いメタバース」を目指す「cluster(クラスター)」では、自分のワールドを作ったり、他人のワールドにでかけたりできます。メタバース内に自治体がワールドを作ったり、VTuberがライブを開催したりと、着々とユーザーを増やしつつあります。

日本ではclusterのようなメタバースプラットフォームが増えてきています。これらは現在それぞれが独立していますが、将来的には互換性を持ち、デジタル世界でつながった大きな1つの世界となることが期待されています

法整備には課題も残る

メタバースはあくまでも仮想空間です。仮想通貨による取引など、現実世界と連動しているとはいえ、仮想空間内での商取引については法律の整備が追いついていないのが現状です。現行法では、所有権の対象が物理的に存在する「モノ」に限定されているためです。

つまり、メタバース内でアバターや土地などが盗まれたとしても、それを取り締まることができません。一方で、メタバースの運営企業への責任を重くしすぎると、新たなビジネスの芽を摘むことになりかねないとの懸念の声も上がっています。

いずれにせよ、仮想空間に対応した法律の整備が求められています。

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まとめ

メタバースは3次元の仮想空間のことで、特にブロックチェーンによる経済圏を持つものを指すこともあります。しかし、まだ確立された概念ではないので、現状メタバースはさまざまな意味で使われているという点に留意しておきましょう。

メタバースはエンタメ業界を筆頭に活用されており、ビジネスの場面でも導入が始まっています。今後メタバースがどのように進化していくのか、ぜひ注目してみてください。

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