ARとは(Augmented Reality)とは、現実世界にデジタルコンテンツを重ねて表示する技術のこと。
さまざまな分野のサービスにおいて、ユーザー体験を向上させる要素として注目されており、近年ではスマートフォンアプリやゲームなど、一般的に利用できる機会が増えています。
本記事では、ARの意味やVRとの違いを活用事例を交えてわかりやすく解説します。
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目次
ARの意味や基礎知識を詳しく解説します。
AR(Augmented Reality)とは、日本語で「拡張現実」と訳されます。
スマートフォンやARゴーグル、グラスなどのデバイスを介して、現実世界にナビゲーションや3Dデータ、動画などのデジタルコンテンツを重ねて表示することができる技術のことです。
ARという概念が生まれたのは、1900年初頭。小説家のライマン・フランク・ボームによって初めて提唱されました。しかし、ARに関する研究が体系化されたのは90年代以降になります。
92年にアメリカのアームストロング空軍研究所が「Virtual Fixtures」を開発し、航空機パイロットの操作能力向上のためのデモンストレーションを実施。また、同時期にコロンビア大学がレーザープリンターのメンテナンスサポート用ARシステム「KARMA」を発表しました。
99年には奈良先端科学技術大学院大学の加藤博一氏によってARアプリケーション用ライブラリ「ARToolkit」が開発され、技術にかかるコストが大幅にカットされ、ARの普及に大きく貢献することとなりました。
2000年代になると、ARはゲームやアプリ、ウェアラブルデバイスなどの一般消費者向けの商材にも多く用いられるようになりました。
2007年にはソニーがARを用いたゲーム「THE EYE OF JUDGMENT」を発売。また、2016年にリリースされた「ポケモンGO」はリリース2年で8.5億ダウンロードを記録する世界的大ヒット作になりました。
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ARは大きく分けて4つの種類に分類されます。
位置情報型ARは、スマートフォンなどに搭載されたGPSで位置情報を取得し、位置情報に連動して設定されているARコンテンツを表示させることができる技術。
MAPなどのナビゲーションサービスや「ポケモンGO」などの位置情報を活用したゲームアプリに取り入れられています。
画像認識型ARは、特定の画像や建物などをマーカーとして設定し、マーカーを認識(特徴が一致)すると3Dや動画などのARコンテンツが表示される技術。
商品パッケージなどのプロモーションやイベントなどで多く用いられています。
物体認識型ARは、特定の立体物を認識するとARコンテンツが表示される技術。画像認識と同様にカメラで立体物の特徴点を解析しますが、物体認識ARは360度どこからでも立体物を認識することが可能です。
商品のパッケージやフィギュアといった一般消費者向けの商材だけでなく、製造業における機械メンテナンスや業務効率化などの場面でも用いられています。
空間認識型ARは、スマートフォンなどのデバイスの画面をタップするだけで発動させることができる技術。現実世界の空間を認識し、床や机の上などに自在にARコンテンツを表示させることができます。
IKEAの家具配置シミュレーションアプリに代表されるシミュレーション・フィッティングアプリや製造業、建設業などの分野における業務効率化に用いられています。
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ARと一緒に語られることの多いVRや、近年注目を集めているMR、XRとの違いを詳しく解説します。
VRとは、日本語では仮想現実と訳されます。VR用のウェアラブルデバイスを装着し仮想(ヴァーチャル)空間を体験できる技術のこと。
ARが現実世界にバーチャルなデータを表示させる技術であるのに対し、VRは仮想空間に入り込んだかのようなリアルな体験が得られるという違いがあります。VRの最大の特徴は、まるで別世界にいるかのような没入感です。
MRとは、日本語では複合現実と訳されます。MR専用ウェアラブルデバイスを装着し、現実世界にCGを映し出す技術のこと。
ARとよく似ていますが、MRではバーチャルデータをただ表示させるだけでなく、データに触れて操作を行ったり情報を書き換えることが可能です。加えて、複数人で同時に体験をすることもできます。
XR(エクステンデッド・リアリティ)とは、現実世界と仮想世界を融合させて現実には存在しない物を知覚できるようにするすべての技術を表す総称。つまり、ARやVR、MRなどの技術はすべてXRのなかに含まれる概念ということになります。
XRという言葉が生まれた背景には、ARやVRなどの技術を複合させた技術が多く生み出され続けており、それぞれの技術の境界線が曖昧になっているという近年のトレンドが大きく影響しています。
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ARの活用事例を業界別に紹介します。
北欧家具メーカー大手のIKEAは、ARで部屋に家具を配置できるアプリ「IKEA Place」をAppleと共同開発しました。
IKEA Placeを使うことにより、スマートフォンを介して部屋にデジタル家具を配置し、商品のサイズ感の確認や周りとの雰囲気のマッチングをシミュレーションできます。
「ポケモン GO」はナイアンティックの開発したスマートフォン向け位置情報ゲームアプリ。2016年にリリースされて以来、世界的な大ヒットとなりました。
このゲームでは、位置情報を利用して様々な場所に移動しながら自分の近くにいるポケモンを捕獲して、収集したアイテムで育成し、他のユーザーとバトルを行うことができます。
「HADO」は、ARを活用した屋内スポーツ。
ヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを装着し、ARを用いてエナジーボールやシールドなどを自らの手で発動させているかのような体験をすることができます。
スミソニアン博物館は、展示している骨格標本にスマートフォンやタブレットのカメラを照らし合わせるだけで、動物や魚が生きていたころの本来の姿を表示するアプリ「Skin&Bones」を開発。
また、博物館内のボーンホールにある画像を読み込むことで、解説ビデオ・3D画像を楽しむことができます。
国際運輸の大手DHLは、Google Glassをピッキングの支援ツールとして活用しています。
Google Glassに保管場所や必要な情報を表示させることで、従来の書類を持ちながらの作業が必要なくなり、業務効率化に成功しました。
Huxleyは、AIを搭載した作物管理システムを開発しました。
このサービスを活用することで、作物の育成に関わるさまざまなリスクをAIが感知し、ウェアラブルデバイスに情報を表示します。
モンスターラボのARを活用したさまざまなデジタルプロダクト開発の実績を紹介します。
モンスターラボは、シンガポールの有名テーマパーク「Gardens by the Bay」の公式アプリリニューアルにリサーチ・企画フェーズから参画。テクノロジーを活用したUX向上を通じてDX推進をサポートしました。
クライアントの課題は、アプリのUXやコンテンツ内容だけでなく「入場券購入時または入場時の混雑」「混雑時間帯の偏り」「人気アトラクションの混雑」「園内の案内不足」など、園内のユーザー体験に関わるものまで多岐に渡りました。
モンスターラボは、アプリの改善を通して現地に行きたくなるようなUXを生み出すだけでなく、課題に対するさまざまなソリューションを提供。「園内の案内不足」の解決策としてARを活用した道案内機能を導入しました。
★事例について詳しくはこちら
建機・農機メーカーの大手クボタは、グローバルに製品を展開。
課題となっていたのは、現地販売代理店のサービスエンジニアの手で行われている建機の修理が、担当者の経験・スキルによってはマニュアルだけではサポートできないという点。
ダウンタイムによる建機の稼働率低下は、ユーザーの収益減少に直結します。そのため、迅速かつ効率的で誰にでもわかりやすく、サービスエンジニアの能力に左右されない故障診断サポートが求められていました。
モンスターラボはこれらの解決策として、故障診断アプリを開発。エラーコードや不具合症状を入力するだけ点検箇所や修理方法が表示されるシンプルな故障診断フローを構築しました。
また、3DモデルとARを組み合わせ、スマートフォンをかざすことで建機内部の故障箇所や対象部品の特定をビジュアルで認識できる機能を搭載し、建機の内部を実際に確認する手間を省きました。
★お客様インタビューはこちら
ARは、スマートフォンやウェアラブルデバイスを介して現実世界にデジタルコンテンツを表示させる技術のこと。
現在はさまざまな分野のサービスに取り入れられ、エンターテイメントや業務効率化などに活用されています。
ARを新規事業・サービスに活用することで、Web上だけのコンテンツでは実現できない新たなユーザー体験を創出し、顧客満足度の向上を図りましょう。
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モンスターラボは、約20年にわたるサービス・プロダクト開発実績から得られたデジタル領域の知見や技術力を活かし、デジタルプロダクト開発事業を展開しています。
先端テクノロジーに対応した高度なIT人材があらゆるプラットフォーム上での開発を支援します。アジャイル開発とDevOpsによる柔軟な開発進行や、国内外のリソースを活用したスケーラブルな開発体制の構築も可能です。 また、リリース後の保守運用や品質向上支援まで伴走可能です。
モンスターラボが提供するサポートの詳しい概要は以下リンクをご確認ください。