機械学習とは? ディープラーニング・AIとの違いや機械学習でできることを解説

機械学習とは? ディープラーニング・AIとの違いや機械学習でできることを解説

機械学習とは、機械にデータを学習させることにより、さまざまな課題に対処できる状態にすること。AIの”学習”を担う技術の1つとして注目されています。

機械学習の学習方法は、大きく分けて「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つに分類されます。

本記事では、機械学習の意味や、学習方法の種類、ディープラーニングとの違いなどをわかりやすく解説しています。

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機械学習とは?

まずは、機械学習の意味や、機械学習でできること、AIやディープラーニングとの違いを確認しましょう。

機械学習の意味

機械学習とは、AIにおける“学習”のこと。人間が学習するように「機械自身が学習する」という意味が込められています。

つまり、機械学習の目的とは、学習を経た機械が、プログラマーによってプログラミングされた範囲以上のことを実行できる状態にすることです。

「AI」や「ディープラーニング」と同時に語られることが多い言葉ですが、機械学習はAIを支える技術の1つであり、ディープラーニングは機械学習の手法の1つです。

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機械学習の特徴は、膨大な情報を処理し、データの中から特徴や法則性を見出すこと。導き出された特徴・法則性に基づいて、物事の予測や判断が行えるようになります。

つまり、機械学習は、AIに学習能力を与えたり、大量かつ複雑なデータを持つビッグデータの処理や分析のために活用されています。

機械学習が注目されている理由

2000年代以降は「第三次 AIブーム」とよばれ、近年もAIの活用は急速に広がり続けていますが、ブームの背景には、機械学習の実用化が進みAI自身が大量のデータから知識を獲得できるようになったことが影響しています。

さらに、2006年には知識を定義する要素(特徴量)をAIが自ら習得するディープラーニング(深層学習)が提唱され、ブームに拍車をかけました。

また、2022年以降、機械学習やディープラーニングの技術を用いて新しい画像を生成する「画像生成AI」や、人との自然なコミュニケーションや文章の自動生成、要約、情報収集などができる「ChatGPT」の登場により、専門的な知識を持っていなくても活用できるAIが世界中で急速に普及し始めています。

機械学習の3つの学習方法を解説

機械学習は大きく分けて、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つに分類されます。ここでは、それぞれの仕組みについて解説していきましょう。

① 教師あり学習

教師信号を与えて学習させる「教師あり学習」

教師信号を与えて学習させる「教師あり学習」

教師あり学習とは、例題と模範解答のセット(教師信号)を与えることで人工知能を1つの方向に学習させること。一般的に大量のデータを必要とし、与えられたデータに基づいてニューラルネットワーク自体が出力結果の正否を判断します。

学習していない事例に関しても例題から推測して判断・行動することができますが、「人間が事前に知識を与えられない未知の事象には対応できない」という欠点があります。また、「模範解答を与えた人間以上には賢くならない」という能力的な限界があります。

過去のデータを基に傾向(関数)を導き出して今後の数値を予測する「回帰」を活用した売上予測、未知のデータを自動分類する「分類」を活用した画像分類などの用途で使用されています。

② 教師なし学習

AI(人工知能)自身の活動を基に自ら学習する「教師なし学習」

AI(人工知能)自身の活動を基に自ら学習する「教師なし学習」

教師なし学習は模範解答を必要とせず、AIが自身の活動を基にデータを蓄積して自ら学習します。

大量のデータを必要としない学習法ですが、代わりに「正しく学習できる環境」が重要になります。整合性の取れる環境であるという前提が必要で、シミュレーションすることができない事象に対しては学習することができません。

蓄積したデータを分析して多くのなかから類似したものを抽出してグループ化する「クラスタリング」を活用したレコメンドや顧客セグメンテーションなどの用途で使用されています。

③ 強化学習

AIが自ら試行錯誤して最適な行動を見つける「強化学習」

AIが自ら試行錯誤して最適な行動を見つける「強化学習」

強化学習はAIが自らの置かれた環境のなかで試行錯誤を繰り返し、最適な行動・価値を見つけ出す学習法。AIが自身の行動した結果を認識して分析するという面では、教師なし学習と捉えることもできます。

強化学習において重要な要素を担うのが、AIに自身の行動と状況をしっかりと認識させること。そして置かれた環境下での結果に対する評価値を「報酬」として、学習の手がかりとしていきます。

例えば、あるゲームをする環境をAIに与えたとします。教師がいないこともあり、初めのうちは強さを発揮しませんが、試合毎に「より多く報酬をもらえるようにするためにはどうしたらいいのか」とAI自身が考察。対戦を重ねるごとにデータが蓄積されていき、強くなっていきます。

このように強化学習は応用範囲が広く、学習する対象がモデル化できないときに大きな効果を発揮します。

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機械学習とディープラーニングの違い

ディープラーニングは、機械学習の手法の1つ。十分な学習データさえあれば、ニューラルネットワークを用いてデータの特徴を自動抽出することが可能です。

ディープラーニングにより、従来ではデジタル化するのが難しかった非構造化データ(画像、自然言語、音)が学習可能になりました。

さらに、デジタライズのバリエーションが増えたことにより、自然言語の生成、異常検知ができるようになり、最適化やレコメンデーションの精度が向上しました。

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AI(人工知能)開発で使用されるプログラミング言語「Python」

AI開発で使用するプログラミング言語の定番といえば「Python(パイソン)」。

数あるプログラミング言語のなかでもコードが扱いやすく、機械学習に必要なビッグデータの処理に適しているという点が大きな理由。さらに、もともと科学技術計算を実行しやすいうえに、機械学習向けのライブラリが揃っていることから重宝されています。

他の言語に比べてプログラミング初心者でも学びやすいということもあり、AIブームも相まって注目を集めています。

AI画像認識を活用した業務効率化の事例(ユニメイト)

画像認識によってユニフォームを自動採寸するアプリ

画像認識によってユニフォームを自動採寸するアプリ

株式会社ユニメイトは、レンタルユニフォーム事業を展開する企業。

同社の課題は、採寸ミスによる誤発注が頻発していたこと。この課題に対し、モンスターラボはAIの画像認識を活用した自動採寸アプリ『AI×R Tailor(エアテイラー)』を開発しました。

開発にあたり、技術調査によって「画像から3Dモデルを作成し、そこから実際のサイズを予測する」手法を導き出し、オリジナルのAIエンジン開発に成功。ユニメイト社から提供された採寸データを用いて検証を繰り返し、AI画像認識の精度を高めました。

採寸作業の工程にAIの画像認識を活用することで、誤採寸などの人為的なミスによって生じていたコストを削減することに成功しました。

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まとめ:機械学習はAIに内包される技術の1つ

機械学習とは、機械に学習させ、膨大なデータから特徴や法則を見つけさせること。AIに内包される技術の1つであり、さまざまなサービスやプロダクトに活用されています。

AIは、機械学習を用いて膨大なデータを学習し、法則を見出すことで、単純作業の効率化や、人為的なミスの削減に効果を発揮します。

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記事の作成者・監修者

平田 大祐(株式会社モンスターラボ 常務執行役員)

平田 大祐(株式会社モンスターラボ 常務執行役員)

2004年IBMグループに入社し、IBM ITスペシャリストとしてシステム開発に従事。 2009年からベンチャー企業にて受託開発、コンテナ型無人データセンターの管理システム、ドローン開発などソフトウェアからハードウェア開発まで幅広く関わる。チーフテクノロジストとして2015年にモンスターラボへ入社し、2018年4月より最高技術責任者であるCTOに就任。 プロフィールはこちら