弊社は、神戸市(市長:久元喜造)による2018年度の地域課題解決プロジェクト「Urban Innovation KOBE(※1)」に採択され、2019年12月28日より教育委員会にて弊社が開発したRPAツール(※2)『RAX EDITOR(ラックス・エディター)<仮称>』を応用して作成した『手当計算ロボット』を導入し、実証実験を行いました。
その結果、職員の給与支給業務のうち、通勤手当の決定に関する業務において年間で約1,895時間(削減可能な業務の約73%)の作業を削減できる見込みとなり、さらに今後『手当計算ロボット』の機能拡充により、今年度中に作業の削減を年間2,350時間(削減可能な業務の約90%)まで伸ばすことができる見込みとなりましたので、お知らせいたします。
協働により業務を削減した市職員と弊社社員
今回導入した『RAX EDITOR<仮称>』
■実証実験の目的
教育委員会事務局教職員課では、通勤届を元に教職員の通勤手当額を決定する作業が年間5,492時間を占めています。
従前の業務手順では、書類を一枚ずつ手作業で点検していましたが、本プロジェクトでは、職員が行っている作業を分析し、業務手順を組み替え、RPAの導入と開発を行い、業務の効率化を目的に実証実験を行いました。
■実証実験の内容
(1)実証実験期間・効果検証期間
① 実証実験期間
2019年3月25日(月)〜2019年5月10日(金)
② 効果検証期間
2019年5月13日(月)〜2019年6月28日(金)
(2)実施内容
神戸市と協力し、給与支給業務のうち、通勤手当に関する業務の効率化を検証しました。
① 業務フローの分析、整理、改善に関する協働研究
② 業務を自動化・効率化するRPAツールの開発
③ 神戸市地理情報システム(GIS)の一部機能の活用
④ 業務の効率化前後の作業時間の比較、効果検証
(3)実験結果
① 通勤手当に関する業務において、現時点で、年間約1,895時間を削減できる見込み
② 今後、通勤手当に関する業務において、「手当計算ロボット」の認定の精度を高めるなど、今年度中の機能拡充により、年間2,353時間(①に加え、458時間)が削減できるようになる見込み
③他の手当に関する業務にも展開することで、さらに業務を削減できる可能性がある
■『RAX EDITOR(ラックス・エディター) <仮称>』の特徴
- ・ソフトウェアの提供だけでなく、専門のコンサルタントが業務の見える化や業務の効率改善といった側面から包括的に支援
- ・ソフトウェアを自社開発しており、利用者のニーズに合わせた新機能追加などが可能
- ・労働人口が不足しがちな小規模企業、および個人でも導入がしやすい価格帯で提供
初期導入費用:5万円〜 (税抜)
月額利用料:5万円〜 (税抜)
■『RAX EDITOR(ラックス・エディター) <仮称>』今後の展望
弊社は、RPAツールを活用したさらなる業務効率化を実現し、利用者の働き方の多様化と労働生産性向上に寄与してまいります。そして、機械学習やAIといった技術を取り入れ、対象範囲を拡大していくことで、人々がより創造的な業務に注力できる社会の実現に貢献してまいります。
※1 「Urban Innovation KOBE」とは
起業・スタートアップ支援による神戸経済の活性化を目指す神戸市が、2017度より実施しているスタートアップ・ベンチャー企業と市職員が協働して社会・地域課題を解決する国内自治体初のプロジェクト。
※2 RPA(Robotic Process Automation)とは
ソフトウェアロボットに指示を与え、人が行うパソコン上のマウスやキーボードの動作を自動化することができるツール。定型的な業務を自動化して効率化するツールとして導入が進んでいる。