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CEO Column

グループ参画から3年、Nodesとモンスター・ラボの歩みとこれから

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グループ参画から3年、Nodesとモンスター・ラボの歩みとこれから

2020年11月

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モンスター・ラボは2017年8月にコペンハーゲンに本社を構えるNodesというデジタルプロダクトエージェンシーをM&Aしています。当時、我々は9カ国15都市に拠点をもつグループでしたが、その後、Nodesもモンスター・ラボも成長・拡大し、今は16カ国27都市にオフィスを構えるグループとなりました。

M&Aというと、一般的にはPMI(Post Meger Integeration)に苦心するイメージがありますが、我々は互いの企業風土や国のカルチャーを理解しながら、Nodesからも数名をグループのマネジメントチームとして迎え、一緒にグループの将来を構想し、共に組織を作っています。

過去9回のM&Aを経験したモンスター・ラボのM&Aには他社には無い特徴があります。今回はNodesの創業者であり、グループのCGO(Chief Growth Office)であるAndreas Rasmussenと改めて、この3年を振り返りながら、これからの方向性について対談を行いました。

対談後、コペンハーゲンの新オフィスにて

1. Nodesとの出会い

互いに尊重し合う会話ができたためか、まるで友人のように思えた

 

ー互いの第一印象は?

Andreas: 謙虚さと尊敬の念を持って私たちの会社(Nodes)に関心を持ってくれていて、互いに尊重し合う会話ができたためか、まるで友人のように思えました。数時間打ち合わせをした後に食事に行きましたが、今思うと、今の私たちの関係性を物語っていたと思います。第一に信頼に基づいていて、対等であることを忘れず、仕事をしながらも楽しい時間を過ごしたり、社会的なイベントに参加したりすることも忘れない、その全てで成り立っている関係。

鮄川: 誠実で、アグレッシブ。彼らは、ヨーロッパの中でも、複数市場に進出する最も成長性の高いデジタルエージェンシーになる、という情熱を持っていました。私たちにとって、同じような情熱、カルチャー、目標を共有することのできる、経営チームを見つけることは、対象企業を選定する上で重要な点でした。同じような情熱や目標を持っていれば、将来的に訪れるかもしれない困難も一緒に乗り越えていくことができるからです。

 

ーかなり多くの企業に実際に会われたんですよね?

鮄川: はい、当時私たちは、デジタルプロダクト開発、およびデジタルコンサルティング企業としてヨーロッパ市場全体をリードできる企業を探していました。1日4〜5社に会うペースで、総数70以上の企業と実際に会いましたが、Nodesは突出して印象的だったんです。

Nodesはコペンハーゲンに本社を置く会社ですが、私たちが最初に会ったのはロンドン(の拠点)で、そこで20人程度のエンジニアやクリエイターが働いていました。ヨーロッパの中でも特にイギリスは競争の激しい市場で、外資系企業としてイギリス市場に参入し一定規模まで成長させることは決して簡単ではないのです。現地で既に20人規模の企業として一定の存在感を出しており、大手クライアントも獲得していたことから、彼らはヨーロッパ全体で事業を広げていけるポテンシャルがあると感じました。

また、Andreasはドイツやノルウェー市場に参入しようとして失敗した経緯についても、包み隠さず語ってくれました。私もアメリカに一度ゼロから拠点を立ち上げて、最終的に撤退したという失敗の経験があります。最終的に失敗に終わった挑戦ではあったけれど、積極的な起業家であれば、失敗を経験するのは当然のこと。失敗を経験し学んできたという点も評価のポイントでした。

2. ユニークな始まり 

ーM&Aのような複雑で大きなことを、シンプルに、私たちだけで始めたということが、大きな意味を持っていた

 

Andreas: 多くのM&Aでは、フィナンシャルアドバイザーや弁護士が早い段階から関与する傾向があって、互いに有利な交渉をしようと多くの時間を無駄にしてしまうのですが、Hirokiは弁護士経由ではなく、創業者である私たちと直接、話すことを望んでました。自分はそれを好む、とね。これは本当に珍しいと思います。M&Aのような複雑で大きなことを、シンプルに、私たちだけで始めたということが、大きな意味を持っていたし、それが現在でも私たちのコラボレーションの基礎となっていると思います。

私は以前の知識や経験から、Hirokiとの話し合いに臨んだ当初はガードを堅め、時間をかけて取り組む必要があると思っていました。実際には全くそんな必要はなく、出会った初日から、私たちがこんな関係を構築できたということは、素敵なストーリーだと思ってます。

当時、私(Nodes)が資本業務提携先を探していたのか?と聞かれると、実際のところはNoでしたし、売却には全く興味がありませんでした。いくつかの声がけはありましたが、打ち合わせをしたとしても創業者と会うことはなく、M&Aチームが登場して、互いにエクセルシートの上で会話を進めるような感じで…… Hirokiはやはり他の会社とは全然違ったんです。私たちがこうしていきたいと思っていることと同じ考えの人に出会ったという、想像していなかったことが起こったことで、NoがYesになったのです。

3. グループとしての歩み出しを振り返って

ー経営を任せてくれている安心感・信頼関係があったからこそ何度もチャレンジングな決断を下すことができた

 

ーグループにジョインして、印象的だったことはありますか?

Andreas: M&Aした際の反響としてはまず、財務面における信頼を得ることができたこと、そして私たちがより大きな組織の一員となったことは、クライアントからも高評価でした。市場やマーケティングの視点から見れば、グローバルな視野でクライアントビジネスへの支援も可能となり、、プロダクト開発においては、フィリピンやベトナム、バングラデシュなどのAPAC拠点のリソースを活用することもできます。世の中にあるグローバル企業でも、グループ内の会社がそれぞれ持つ拠点同士で協力できたり、リソースを活用できるというのは珍しいことだと思いますし、2019年にモンスター・ラボが買収したアメリカのFuzzもグループ加わってきたことで、より大きなグループシナジーが期待できると感じています。

また、メンタル面でも、モンスター・ラボから評価をされたことで、自分たちは正しいことをしようとしていると己を信じ、確信を持つことができました。かつ、従来の買収では多くの場合、買収企業である私たちのことをコントロールし、運営や管理職が引き継がれることになりますが、Hirokiは中長期的な方向性や戦略は一致させながらも、日常経営は元々の経営チームを信頼し任せてくいてくれて、必要な時にサポートするスタンスでした。

ある程度の独立性を保ち、経営を任せてくれている安心感・信頼関係があったからこそ、何度もチャレンジングな決断を下すことができましたし、正しい決断ができていたと思っています。

鮄川: NodesはM&A後も彼らの持つカルチャーを守り、成長意欲を失わず、その成長率は目覚ましいものがありました。過去3年間、彼らは年率50%以上の成長を続け、新たに、ドイツ、オランダ、中東(UAE)に進出し、チェコとウクライナに新しい開発拠点を開設し、デンマークの企業であるImplicit社を買収しました。彼らの成長意欲と、最先端のデジタルソリューションを提供する能力共に、モンスター・ラボのビジョンと一致していたので、、私は彼らがベストなパフォーマンスを発揮できるように、当分の間はオペレーションについては最低限の関与に留め、主に戦略面・財務的なサポートをすることを示してきました。その結果が良い方向に行ったと思っています。

4. 現状対峙する課題感とは

ー互いに学び合っている段階ですが、コア・バリューを共有できているのは素晴らしい

 

ー社内の視点における課題は何だと思いますか?

Andreas: 仕事の仕方における文化的な背景を理解することが必要だということ、プラス、日本においてはやはり言語の障壁も感じています。もっと多くの日本人が英語を話せれば、もっとスムーズになると思います。批判するわけではなく、ただ、国際的な国になりたいのであれば、そうしなければならないと思います。

例えば、日本とのカルチャーの違いを感じたのは、会議での沈黙の意味の違いですね。

デンマークでは、会議をしていて、私が何か言ったことに対して相手が何も言ってこなかった場合、賛成しているとみなします。一方で日本においては、何も相手が言ってこなかった場合でも賛成していないということが多々あります。これは私にとっては違和感があります。

鮄川: 日本人社員も、Nodesからもビジネス面での文化を学んでいますし、毎日(Nodes以外の)あらゆる国の仲間からも新しい文化を学んでいます。 最終的には国の違いではなく、1人1人が違う人間で違う考え方を持っているので、個人の違いを理解し尊重し、良いチームを作るにはどうしたら良いか、というチャレンジを楽しんでいます。

Andreas: それを土台にしていきたいですね。ともかく、言語にしろ文化的背景にしろ、お互いが学び合うという双方向性がなければ成功することは無いでしょう。一方だけが努力しても駄目なのです。

私を含め、ヨーロッパのメンバーを、グローバルマネジメントチームに迎え入れたHirokiの決断は、とても大胆だったと思っています。Hiroki、あなたへの信頼があるからこそ、私たちもそれに報いたいと思うことができます。私たちヨーロッパのメンバー、日本、中国、シンガポール、バングラデシュ、ベトナム、フィリピンなど文化についても理解する努力をしなければならないと思ってます。お互い英語で話しているからといっても、さっき話したような文化的差異もあり、同じコミュニケーションができているとは限らないから。

今はそうやって互いに学び合っている段階ですが、コア・バリュー(基本的な価値観)を共有できているのは素晴らしい点だと思います。

例えば、私たちは共に「皆に機会の平等に与える」ということや「取り残される人を作らない為の、ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(一体性を持つこと)」という観点をとても重視しています。

5. グローバルワンファームとしてのこれから

新しい考え方や視点に触れることで、人として、専門家として、学び深められ、成長していく。そしてその「個」が会社を強くする。

 

Andreas: ある意味で、HirokiがM&A当初から最低限の関与に留めてくれていたことで、私達はかつてあったかもしれない両社間のシナジーを逃していたかもしれないとも思うのですが、今はそれが見えてきており、当初のアドホックな関係性から変容し、一つの組織・ブランドとして統合し、拠点間のシナジーを発揮できるよう本格的に取り組んでいます。

鮄川: 私はNodesとの全ての瞬間を楽しんでます。一緒に仕事をすればするほど関係も深まっていて、良い人材と適切なチームが揃っていると本当に感じられます。モンスター・ラボとしてもNodesからグローバルマネジメントチームに人を配属するという判断も行い、経営レベルでのインテグレーションはかなり進んでいます。APAC、EMEA、AMERの3リージョンではそれぞれのリーダーシップマネジメントを組成し、国境を越えた事業を統合する段階に入っています。

Andreas: 世界のいくつかのグローバル企業と言われているような企業の中には、エントランスやオフィスのドアに掲げられるロゴは一緒でも、他国にいる同僚とは互いに知り合いではない、といったようなところもあるでしょう。私たちはクライアントが真のグローバルレベルのアドバイスを受けられるような、コンサルティング企業でありたいと考えているので、オペレーションモデルもワンカンパニーを謳っています。

鮄川: そうですね、世界中のクライアント企業は、ニューヨーク、ロンドン、東京のどこでお会いしても、対モンスター・ラボとして同じ経験を共有することができます。 しかし、グローバルに統一された体験を提供したいからといって、誰もが同じように振る舞ってほしいというわけではありません。異なる考え方や文化的背景を持つ仲間同士、尊重し合いながらも、自身の考えを表明し、個性を持って仕事に活かしてほしい。なぜなら、新しい考え方や視点に触れることで、人として、専門家として、学び深められ、成長していくからです。そしてその「個」が会社を強くします。私もAndreasも、その環境の実現に向けて努力を続けていきます。

Andreas: そうですね、これから向こう1年で、何人かの日本で働くメンバーを通じて、グループの成長だけでなく、Fuzzを含む3つの会社の文化の融合を見ていけることはとても楽しみです。

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