チャット形式で使いやすく、要約や調査、プログラム作成など幅広い活用が可能なChatGPTですが、社内に導入のイメージが湧かない企業も多いのではないでしょうか。
サービスに導入してビジネスの幅が広がった企業もあるため、きっかけやアイデアを含めた事例からヒントを得ることが有効です。
今回はChatGPTを業務で活用したい・社内ツールとして検討したい企業の担当者向けに、活用時の注意点や他社の導入事例15個をご紹介します。
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目次
ChatGPTとは対話型の生成AIで、対応するタスクの広さや精度の高さが特徴です。2022年11月にOpenAI社によって開発・リリースされた、大規模な自然言語処理モデルであり、誰でも無料で使用できるChatGPTと有料版のGPT-4が提供されています。
ユーザーがプロンプトと呼ばれる指示文を打ち込むと、AIがその指示を読み込み、自然な文章で返答してくれます。質問への回答はもちろん、文章の要約やメルマガなどのライティング業務にも活用可能です。使いやすさから話題のサービスになり、今後は個人や企業での活用が加速すると考えられます。
★まとめ ・ChatGPTは大規模自然言語処理モデルを使ったチャットボットの一種 ・対応可能なタスクが幅広く、人間が行う業務の多くを代替できる・情報の正確性や最新情報への対応に課題がある |
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ChatGPTは企業のさまざまな業務に活用することが可能です。以下で具体的な業務内容を12個ご紹介します。
敬語を用いた文章なども作成できるため、クライアントへのお礼メールの雛形など定型文はもちろん、メールマガジン用のテキスト作成なども可能です。指示文で指定すれば、そのトピックでテキストの生成もできます。
マニュアルを整備することで業務の標準化や効率化を実現できますが、制作する項目の洗い出しや抜け漏れの確認、誤字脱字チェックなど工数がかかります。
ChatGPTを使用することで、マニュアルのタイトルや説明文などを自動生成し、作成業務の効率化が可能です。
FAQの作成もテキスト作成やチェックに工数のかかる業務です。
大枠の作成にはChatGPTを活用し、細かな部分だけ人の手で追記することで、FAQ作成の時間を大幅に削減できます。API連携によりさらに効率化を図ることも可能です。
短い文章はもちろん、論文などの長い文章や、英語表記の文章なども要約できます。知りたいことの大枠を迅速に把握したいときなどに便利です。
市場調査といったリサーチ業務にもChatGPTを活用できます。
論点を生成して洗い出しを行い、人の手で調査項目を選定することで、効率よく情報を取得できるでしょう。ただし、不正確な情報が出力される場合もあるので、1次情報の確認は怠らないことが重要です。
サービス提供前などに行うクロスレビューには複数の人員が必要です。ChatGPTを活用することで、1人でありながら多くの視点からの気づきを得ることができます。最低限の確認事項は事前に壁打ちを行い、チェックしておきましょう。
プログラミングコードを作成する際の補助や、バグチェックのヒントもChatGPTから得られます。0から作成する手間が省けるため、業務効率を上げることが可能。ただし、補助的な機能でしかないため、生成したコードは人の手でチェックと修正をしましょう。
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ブログ記事作成などの際に、見出しや内容で悩む方も多いのではないでしょうか。ChatGPTに指示を出せば記事の構成案も作成できます。すでにある情報をもとに構成を作成するため、独自性を出したい場合は人の手で修正や追加を行いましょう。
企画書のような資料に盛り込むべき内容や構成案の作成もChatGPTが補助してくれます。
サービス内容や目的など指示を具体化することで、より踏み込んだ提案内容をもらえる可能性が高まります。
企画提案のアイデアが浮かんでこない経験をしたことはないでしょうか。その際はChatGPT相手に壁打ちをすることも可能です。アイデアのリストアップを指示することで、別視点の気づきが得られる可能性もあります。
表計算ソフトで集計したいデータがあっても、具体的な関数がわからないときに、ChatGPTで条件を満たす関数を出力することができます。
数式がわからなくても言葉で目的を説明できれば、最適な関数を出力してもらえるため、調査にかかる時間などを削減できます。
SNS運用はテキストの作成に加え、ハッシュタグの作成、クリエイティブの作成、ユーザーへの返信など、やるべき業務が多岐にわたります。
ChatGPTを活用すれば日常的な作業を効率化でき、マーケティングの本質的な業務に注力できるでしょう。
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ChatGPTの利用にはいくつか注意点があります。特に企業が活用する場合、情報の正確性に関しては対策を講じておきましょう。
ChatGPTはWeb上のサービスであるため、アクセス過多により動作が遅くなったり、サービス自体が停止したりする恐れがあります。
サービス停止のリスクを認識し、スケジュールに余裕を持つ、ChatGPTは補助的に活用するといった対策をしましょう。
ChatGPTは自然な文章で回答してくれますが、単語の意味や文化背景を完全に理解しているわけではありません。
学習された膨大なデータの中から、強い関係性をもつ単語をつなぎ合わせてアウトプットする仕組みのため、不適切な回答をする可能性もあります。記事やSNS投稿を行う前には必ず人の手で事実確認を行うようにしましょう。
高精度な回答をするとはいえ、その精度はプロンプトに依存しています。
プロンプトの精度が低いと、意図していない回答が返ってきて、業務効率の低下につながる可能性もあります。まずは、他社で活用されているプロンプトを参考にし、必要に応じて自社の業務内容に合わせるのがおすすめです。
ChatGPTでは、会話内容が学習に利用されることがあります。OpenAI社のトレーナーが会話内容を閲覧することも可能なため、機密情報の漏洩リスクがあります。顧客の個人情報といった機密情報の利用はなるべく避け、使用しても問題ない一般的な内容に変換、または別の質問に切り替えるようにしましょう。
ChatGPTには、2021年9月までのデータしか学習されていません。(2023年11月現在)
最新情報や固有名詞に関わる情報は精度が低いため、検索を行うなど別途確認するようにしましょう。
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企業はどのようにChatGPTを業務に取り入れているのでしょうか。導入の効果もあわせて、以下で15の事例を紹介します。
社内ビジネスチャット「Benefitter」のユーザーインターフェースを活用し、ChatGPTとAPI連携しました。これにより、社員は普段の感覚で生成AIを利用できるようになりました。今後は社内の業務システムと連携するプラグインを開発。伊藤忠の契約書、規程類など各種書類のデータを回答に活用する計画があります。
参考:伊藤忠商事が「社内版ChatGPT」を4200人に導入開始
OpenAIの大規模言語モデルをベースに開発したAIアシスタントサービス「ConnectAI」を全社員9万人に提供し、導入3カ月で利用回数は約26万回に達しています。利用ケースは質問が59.7%を占め、技術的なものや事業アイデアの生成などに使われています。
参考:利用回数は想定の5倍超、ChatGPT全社導入から3カ月でのパナソニック コネクトの利用実績
2023年4月、ChatGPTを活用してデジタル広告のオペレーションにかかる作業時間を大幅に削減するため、「ChatGPTオペレーション変革室」を設立しました。この取り組みによって広告運用の実行スピードを大幅に向上させ、総作業時間の30%削減を目指しています。
参考:ChatGPTで広告運用の実行スピードを大幅短縮する「ChatGPTオペレーション変革室」を設立
GPT-4ベースのChatGPTを用いて「大和地域AIインデックス」レポート執筆の効率化を図っています。ChatGPTがエコノミストの分析・考察を支援し、レポート本文案を生成することで、作成時間が約50%削減され、迅速な情報提供と質的な向上が可能になりました。
参考:大和総研、調査レポートの作成に生成AI(ChatGPT)を活用
学校や学習塾などの関係者を対象に、ChatGPTの基本知識と実践事例の研修プログラムを提供しています。研修内容は教育現場での活用・実践までカバー。半日集中講座、オンライン通学形式、カスタマイズ研修の3種類の形式で提供されます。
参考:みんがく、ChatGPTを教育現場で活用するための研修を提供開始、最短約4時間で受講可能
EC関連3サービスにて、ChatGPT APIを活用したマーケティング支援機能を提供しています。特に「カラーミーショップ」では、ユーザーが登録した商品情報をもとに、SNSの集客に利用できるPR文や商品説明文を自動生成します。
参考:GMOペパボ、AI(ChatGPT)を活用したマーケティング支援機能をEC関連3サービスにて提供開始
ChatGPT(GPT-3.5)のAPIを活用した次世代金融アドバイスサービス「MILII TALK(β版)」を提供しています。質問内容は家計や不動産、年金、保険などに対応し、LINE上でユーザーが質問をすると「MILI」が自動で回答します。
参考:MILIZEがChatGPTを活用した次世代金融アドバイスサービス「MILII TALK(β版)」を提供開始
小学生の親子向けにChatGPTによる「自由研究おたすけAI β版」を提供。自由研究のテーマの決定や進め方などをサポートします。そのほか社内向けに、OpenAI Serviceをもとに開発したAIチャット「Benesse GPT」を提供し、商品開発の技術検証に役立てています。
参考:社内AIチャット「Benesse GPT」をグループ社員1.5万人に向けに提供開始
CTIツール「Comdesk Lead」にChatGPT機能を追加し、電話商談の自動要約を可能にしました。IP回線・携帯回線通話の文字起こしを自動で行い、文章もしくは箇条書き形式で要約します。この機能追加によって、会話内容の客観的把握や営業の作業工数削減が期待できます。
参考:Comdesk Lead、ChatGPT連携実装で、電話商談の自動要約が可能に。
既存製品の新規用途発見にChatGPTを活用しています。特許情報やニュース、SNSの投稿から新規用途の候補を生成することで、探索の精度とスピードが従来よりも向上しました。必要な材料開発にも活用しており、将来的には主力事業である自動車関連事業などに生かす計画です。
参考:三井化学は「新規開発」がChatGPTで爆速に!化学業界の現場で使えるプロンプトを特別公開
GPT-3.5-turboの技術を活用した、エンジニア向けのスキルアップLINEアプリ「教えて、MENTAくん」を開発。プログラミング関連の質問に答える機能や、クイズ・Tipsを通じてスキルアップの機会を提供しつつ、メンターとの共存を実現しました。
参考:学びを支援する「MENTA」、ChatGPTの技術活用でエンジニア向けのスキルアップLINEアプリ「教えて、MENTAくん」をリリース
自社のTwitterアカウントでChat GPTを活用しています。従来の手動運用に加え、ChatGPTによるAIチャットボットを利用し、HubSpot障害情報や海外の有益な情報などを発信しています。
参考:OpenAI社の「Chat GPT」を活用したTwitterアカウント運用の実験開始
マニュアル自動作成サービス「ManualForce」とChatGPT APIを連携させたAIサジェスト機能を提供しました。これにより、マニュアルのタイトルや説明文を自動生成でき、さらなる工数削減効果が期待できます。
参考:“日本初”マニュアル自動作成ツールManualForceがChatGPT連携しAIサジェスト機能リリース
採用のミスマッチを防ぐためのリファレンスチェックサービス「Parame Recruit」でChatGPTを活用しました。リスク情報の自動抽出と、リファレンスチェック時の質問内容の自動生成が可能になり、採用業務の効率化を支援します。
参考:リファレンスチェックサービスのParameが、ChatGPTを活用した「リスク情報の自動抽出」「質問項目の自動生成」のAIサポート機能を業界初リリース
ChatGPTを活用して社内で蓄積されているナレッジを検索する自社システム「ChatRKL」を開発しました。ユーザーの使いやすさを重視してslackから利用できるようにしたところ、想定の2.5倍の利用率を記録し、社内ナレッジ収集の時間を約90%削減しました。
★ChatRKLについて詳しくはこちら
➡︎【5分でわかる】ChatGPTの導入ポイントと活用事例 <資料ダウンロード>
ChatGPTには、情報の正確性や情報漏洩のリスクといった課題がありますが、幅広いタスクに対応している点や精度の高いテキスト生成は魅力的です。
企業はChatGPTを活用することで、工数のかかる業務を代替し、業務効率化や重要業務への人員再配置が可能になります。APIを利用したサービスを新規開発できれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
どのように社内に導入すべきか、サービスに反映すべきかイメージができない場合、先行して導入した企業の事例が参考になります。まずは自社と同じ業界・サービスの事例をチェックし、効果的な活用方法の検討に役立てましょう。
モンスターラボは、約20年にわたるサービス・プロダクト開発実績から得られたデジタル領域の知見や技術力を活かし、デジタルプロダクト開発事業を展開しています。
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