老舗酒造にて温度変化を測定するIoTシステムを開発いたしました

弊社の島根開発拠点は、プログラミング言語「mruby/c」を使用し、しまねソフト研究開発センター(島根県松江市、以下:ITOC)と共同で、旭日酒造(島根県出雲市、蔵主:佐藤 誠一、明治2年創業)の日本酒造りにおける品温管理をサポートするIoTシステムを開発いたしました。

「mruby/c」(エムルビースラッシュシー)概要

センサーなどをマイコン制御するデバイスのための組み込みプログラム開発に適した言語。開発生産性の高さなどRubyの特徴を受け継ぐとともに、省電力化も実現しており、IoT(モノのインターネット)の分野で広く活用されることが期待されている。ITOCと九州工業大学が共同で研究開発中。

「醸造業向けIoT」開発背景

酒造現場では麹(こうじ)や醪(もろみ)などの品温変化をこまめに監視する必要があるため、仕込み時期(旭日酒造の場合は概ね11月〜4月)の間、蔵人は蔵内の各作業場所を頻繁に移動しなければなりません。

弊社はこの負担を和らげるために、酒造工程における温度・湿度を測定するセンサー制御およびネットワーク通信制御と、その記録を閲覧することができるスマートフォンアプリを組み合わせた「醸造業向けIoTシステム」の開発に取り組みました。

共同取り組みについて

弊社はRubyを使ったWebアプリ開発を得意としている一方で、センサーなどのハードウェア制御プログラム開発の知見がなかったため、Rubyと仕様が似ていてハードウェア制御に向いたプログラミング言語「mruby/c」に着目しました。

ITOCが弊社に「mruby/c」のあらゆる面での技術支援を行い、弊社は発展途上にあった「mruby/c」の最初期ユーザーとして多くのフィードバックを行うことで、このプロジェクトは実現しました。

今後の展開について

このIoTシステムによって、蔵人が酒蔵で多くの時間を費やさなければならないという物理的制約を緩和して、働き方の改善を実現し、長期的にはセンサーデータを蓄積・解析することによる酒質の向上と、酒造り技術の伝承に繋がることが期待されます。

また弊社は、他の酒造会社や他の業種へ同様のシステムを展開することを検討しています。

しまねソフト研究開発センター 概要

島根県内企業が国内外市場で売れる商品、サービスを創出し、集積するために、その創出にあたっての技術的な課題を解決することを目的に2015年しまね産業振興財団に開設。 IT分野での技術発展とオープンイノベーションの加速を目指し、 島根県内の企業が人々の求める新たな商品、サービスを創出することを支援するとともに、新たな時代に必要とされるIT分野での基盤技術「mruby/c」の研究開発を行っています。

島根県の応援メッセージ

「島根県内の酒造技術は、毎年実施される全国新酒鑑評会において上位入賞を果たすなど、その技術の高さは全国に認められています。

一方で、酒造現場での負担や、酒造り技術の伝承などの課題も多くあると聞いています。

しまねソフト研究開発センターの研究成果を用いた今回のモンスター・ラボの取り組みが、酒造現場の課題を解決し、更には酒造業界の発展につながることを期待しています。

また、同社のサービスが多くの酒造会社や他産業でも利用され、「島根発」の代表的なIoTサービスに成長するよう、当県は、しまねソフト研究開発センターと連携して引き続き支援します。あわせて、県内IT企業が「mruby/c」などを活用してIoTに関する製品・サービスを数多く生み出すことを期待します。

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モンスターラボ DXブログ編集部

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