内製化支援により、ビル入館受付アプリ『Kuruke』と『Toruto』の開発を実現(九州デジタルソリューションズ株式会社)

多様なデジタル技術で地域企業のDX推進をサポートする九州デジタルソリューションズ株式会社(以下:KDS)。同社は2022年8月1日にビル入館受付アプリ『Kuruke』と『Toruto』をリリースしました。

モンスターラボ(以下:ML)は、同アプリの開発に携わるとともに、九州デジタルソリューションズの開発チームにスキルトランスファーを実施。アジャイルの原則に則ったアプリ開発のスキルやノウハウを伝授しました。

今回は、九州デジタルソリューションズの開発チームを迎えて、アプリ開発のプロセスとMLとの協業について振り返っていただきました。

取材協力:
三原 慶(写真左) / 浦本 千夏(写真左から2)/ 小林 一樹(写真左から3)/ 松本 祥治(九州デジタルソリューションズ株式会社 )

弊社:
Christofer Henriksson(写真右) / Harol Higuera(写真右から2) / Diarmaid Lindsay(写真右から3)(株式会社モンスターラボ)

お客様のニーズに応えるプロダクト開発をしたい

アプリ開発への想いを語る三原さん、浦本さん、小林さん

──『Kuruke』と『Toruto』の開発に至った経緯を教えてください

松本:一昨年くらいからモバイルアプリをつくりたいというお客様のニーズが増えていました。元々、弊社はWebシステムの開発のノウハウや知見は十分に備えていますが、アプリ開発のノウハウは備えていませんでした。

──アプリ開発のノウハウがない中で、どのようにプロジェクトを進めましたか?

松本:事業計画の一環で、新規プロダクトをモバイルアプリで開発しようと『R&D』というチームを立ち上げました。

しかし、アプリ開発のノウハウがない中で1からつくると時間がかかってしまうという課題がある中で、同グループ会社の鹿児島銀行で以前MLさんと協業の経験があることを知りました。

鹿児島銀行|スマホ決済アプリ『Payどん』

──開発パートナーにMLを選んだ理由を教えてください

松本:鹿児島銀行での実績があったことも理由のひとつですが、何よりもMLさんとの協業であれば今後のアプリ開発の内製化に向けたOJTができると判断したことが大きな理由です。

──実際にMLと協業してみていかがでしたか?

松本:まず初めに感じたのはソースレベルでの支援をいただけたこと。我々はWebシステムの知識は持っているので、わかりやすい表現に置き換えて伝えていただいて理解しやすかったです。

また、アジャイル開発の進め方や各種ツール(SlackやZoom、GitHub)の使い方だったり、開発以外の部分でノウハウをいただけたことも非常によかったです。

円滑なコミュニケーションがプロジェクトの成功に役立った

支援体制について語るLindsay

──ML側から支援する上で特に意識していたことはありますか?

Lindsay:私自身、伴走型の開発は初めての経験でした。KDSさんも、アプリ開発自体が初めてということと、ロケーションも熊本、東京と離れていましたので、リアルタイムにやりとりができるようにSlackやZoomといったツールを導入しました。それからデイリーミーティングも計画することで円滑なコミュニケーションが取れる体制を意識しました。

小林:最初はオンラインでどう進めていくのか不安でしたが、デイリーミーティングのおかげでわからないことも毎日確認できて助かりました。全てZoomを用いたリモート会議でしたが、リアルタイムでレビューをいただけていたので、すぐ隣にいるような感覚で開発ができてとてもやりやすかったです。

三原:特にSlackの絵文字機能は、業務連絡の文章が柔らかい印象になってチーム全体の雰囲気も良くなり、プロジェクトの成功に役立ったように思います。

──『Kuruke』と『Toruto』の開発面で工夫したことはありますか?

Harol:KDSさんの方でプログラミングの経験はお持ちでしたが、今回の開発で初めて扱う言語も多かったんです。基本のコンセプトやフローを言葉で説明するには難しかったので、図を用いてわかりやすくスライドにまとめる工夫をしていました。

小林:イメージを共有しながら進められたので、スライドでの説明はとてもわかりやすかったです。

最も違いを感じた部分は、モバイルアプリ特有のUX/UIの考え方

UX/UIについて語る浦本さん

──アプリ開発を通して感じたことはありますか?

浦本:初めて使う言語は慣れるまでに時間がかかり大変でした。ですが、少しずつ自分で開発できることが増えていくと、楽しくなって自然と実装したいことが増えてきました。

これまでは業務用のWebシステムを開発していたのですが、モバイルアプリになるともっと身近なものに感じました。特に手元で触れている感覚がすごく新鮮でしたね。

小林:モバイルアプリ特有のUX/UIの考え方に慣れるのに苦労しました。ボタン1つにしても、全て画面の下に配置していたんですが、MLさんから「右上の方がいいと思います」とアドバイスをもらいました。ただ、最初は右上のメリットが分からなかったんです。

しかし、実際に使ってみたら自然と指が右上のほうに動いていて、そういう使いやすさを追求していくんだと学びました。

Harol:みなさん理解が早く、教える側もやり甲斐を感じていました。

──アプリ開発前に比べて社内に変化はありましたか?

三原:社内でも初めての取り組みだったので、「アプリどういうふうにやってるの?」とちょこちょこ聞かれることがありました。また、Zoomでのリモート会議中に画面には映っていませんでしたが、こっそり見ている方もいらっしゃいました(笑)。

Henriksson:そうだったんですね。モチベーションに繋がりますね。

三原:そもそもリモート会議自体が社内で浸透していなかったので、プロジェクトがスタートして1週間くらいはみんな緊張して参加していました(笑)。でも、MLさんがその場を盛り上げてくれて次第に発言もしやすい環境になっていきました。

Lindsay:特に盛り上げたということではないですが、お互いの立場に立って尊重してコミュニケーションしやすい環境を一緒につくっていけたことが大きいかと思います。今回の取り組みは社内へのアピールにもつながりましたか?

松本:そうですね。親会社である九州フィナンシャルグループに対しても、今回のプロジェクトは報告していまして、非常にいいアピールにつながっていると思います。内々の話ですが、グループ企業に寄せられたアプリ開発の依頼は弊社に集まるようになりました。

Harol:それはすごいですね。新しいアプリ開発に取り組めるチャンスが増えてよかったです。

今回の経験を生かして地域企業のDX推進をサポートしたい

今後の取り組みついて語る三原さん

──リリースを終えての感想を教えてください

松本:これまで受付の守衛さんが紙で来客の管理をしていたんですが、守衛さんに実際に使ってもらうと「楽になった」「効率的になった」という声をいただきました。私自身は開発を行っていた立場ではありませんが、子どもを思うような気持ちになりとても嬉しかったです。

三原:アプリは、今まで経験したWebシステムよりも一気にたくさんの人が使用することになるので、いろんな意見がでてくるんじゃないかという怖さも多少ありました。ただ、実際に使っていただいた人からは使いやすさ、デザインを褒めていただけて安心しました(笑)

Henriksson:デザインといえば、浦本さんが書いたイラストも柔らかい印象で素敵ですよね。

浦本:軽い気持ちで書いたので、ここまでしっかり使ってもらえるとは思っていませんでした(笑)デザイン以外にも、社内でデモを行った際にタブレットからスマホに、スマホからタブレットに、画面が切り替わるところを見せると「おおー」という感じでいい反応をいただけました。これまでの開発とは違った喜びを感じました。今回の開発で学んだことを次の機会に繋げていければと思います。

小林:どんなデジタルプロダクトを作るにしても物作り自体が大変なことなので、開発に関しては一緒かなと思いますが、今回のアプリ開発の中では特にUX/UIの考え方に苦労しました。今後もつきまとっていく問題なのかなと思っています。

Lindsay:往訪の際に、入館システムを実際に使用して感動しました。KDSの皆さんは理解も早く教える側としては、特に大変だったことはないですね。

Henriksson:私も大変だと感じたことはなかったです。皆さんと開発ができてよかったです。また、一緒に開発に取り組めることを願っています。

Harol:短期間なのに日々習熟度が向上されていることに驚きました。今回、ネイティブ環境で開発したことは次の機会にも活きてくると思います。アプリ開発の現場は日々進化していきますので、それを楽しみながら頑張ってください。

──今後の展望について教えてください

松本:現状はそれほど人数が整っていませんが、iOSチームとAndroidチーム、UI/UXチームという形でアプリ開発チームを組成し、内製化できる体制を整えていきたいです。

それから今回のアプリは一般向けに公開されますが、プロジェクトで得たノウハウは地域企業のDX推進に役立てていければと考えています。色々とご支援いただきありがとうございました。

Lindsay:こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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