「はじめての外注開発」で失敗しないために、伴走型で支えたPM支援の話

「はじめての外注開発」で失敗しないために、伴走型で支えたPM支援の話

はじめまして。モンスターラボでプロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャーを担当している野挽悠太です。
今回は事業会社における開発組織支援の事例をご紹介します。

「社内エンジニアだけじゃ、もう限界かも……」そんな声からスタートした今回のプロジェクト。
ある事業会社様が、サービスの成長にともない開発リソースが足りなくなり、初めてオフショア開発を検討することになりました。
とはいえ、外注ってうまくいくの? 品質落ちない? コミュニケーション大丈夫? という不安がたくさん。
そんななか、私たちは”外注に出して終わり”ではなく、「チームの一部」としてプロジェクトに入り込みました。
戦略設計から開発、プロダクトマネジメントまで一気通貫で支援した、リアルなプロジェクトの記録です。

クライアントとプロジェクトの背景

業界:HR Tech領域のSaaS企業
事業内容:組織エンゲージメント、コミュニティ運営、情報セキュリティのSaaS事業
会社規模:130〜140名規模(うち開発組織規模は20名)

今回ご相談いただいたのは、自社でSaaSを展開している事業会社様。
少人数のエンジニアチームでスピーディに開発してきたのですが、ユーザー数や要望の増加とともに、「さすがにこの人数じゃ回らないよね…」という状態に。
ただ、これまでずっと内製でやってきたので、外部の開発リソースを使うのは今回が初めて。
コストを抑えつつ柔軟に対応できそう、という理由でオフショア(海外)開発を検討し始めたのがきっかけでした。
でも初めての外注。やっぱり不安は尽きません。

・コミュニケーションのズレが起きそう
・コードの品質はちゃんと担保できるの?
・スケジュール通りに進められる?


「だからこそ、単なる外注先じゃなくて、並走してくれるパートナーが必要なんです」と。
そこで私たちが支援に入ることになりました。

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直面していた課題

話を聞いてみると、課題は大きく3つありました。

1.エンジニア不足で、機能追加も保守も手が回らない
スピーディにサービス改善を進めたいけれど、人手が足りず、社内開発チームが疲弊していた。

2.要件整理や進行管理にリソースを割けない
エンジニアだけでなく、企画側も日常業務が忙しく、新機能の要件定義や優先順位整理がうまく回っていなかった

3.外注に対する不安と慎重さ
オフショア開発に魅力は感じているけれど、品質や管理面で失敗したくないというプレッシャーが強かった。

将来的にはできれば内製に戻したい。でも今は、長期でしっかり支えてくれる外部パートナーが必要。
そんな背景がありました。

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私たちのアプローチ

まず私たちがやったのは、「とにかく一緒に設計しよう」というスタンスをとること。
要件整理からスケジュールの引き直し、オフショア開発チームとの導線設計まで、すべて一緒に設計し直しました。

ステップ①:小さく試して大きく伸ばす「テスト稼働」

いきなり全部外注するのではなく、小さな開発タスクからスタート。
ベトナムのエンジニアチームと少人数でプロジェクトを立ち上げ、段階的に信頼関係と進行ルールを整備しました。

ステップ②:プロダクトマネージャーが常駐してプロジェクト推進

プロダクトマネージャーがクライアントチームに入り込み、要件整理・設計・優先順位づけ・仕様書作成・進行管理をフルで担当。
社内外をつなぐハブとして、仕様のズレや進行の遅延を防ぎました

ステップ③:UX設計から開発・保守までワンストップ支援

UX/UIデザイナーと共に、ただ「作る」だけではなく「使いやすい」体験を設計。
リリース後のバグ修正やユーザーからの細かい改善要望にも迅速に対応し、保守フェーズもサポートしました。

ステップ④:品質担保のためのしくみ化

オフショアでよくある「品質のばらつき問題」は、AIレビューや自動Lintチェック、PRレビューの標準化で対応。
“日本側で求める品質ってこういうことだよね”という前提を、言語化して共有しました。

★オフショア開発の品質について詳しくはこちら

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結果的にどうなったか?

・開発スピードは大幅アップ。機能リリース数はこれまでの倍以上に。
・企画〜開発の流れが見える化され、社内リソースの分配、スケジュール管理が容易に。
・社内では「外注に対するハードル」が下がり、次のプロジェクトでも外部連携を検討中。
・保守や小さな改善もスピーディに対応できる体制が整い、PDCAがぐるぐる回るようになった。

そして何より「ちゃんとチームになれた」と感じてもらえたのが嬉しかったです。“外注先”ではなく“仲間”としてプロジェクトを前に進める。そんなスタイルをこれからも大事にしていきたいと思っています。

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今回のプロジェクトで大事にしたこと、ポイント

まずは小さく始めてみる:いきなり全部任せるのはリスク。だからまずは一部機能からスタート。
日本側のPMがしっかり入る:進行・品質・仕様のすべてをつなぐハブの存在が成功の鍵。
UXから開発・保守までワンストップで:ワンチーム体制で、全工程を一気通貫で支援。
品質担保は“しくみ”で解決:ルール・ツール・チェック体制で属人化を防止。
一緒に成長できる関係性を築く:一時的なリソース補完ではなく、将来も見据えた支援体制に。

オフショア開発や初めての外注を検討中の方、「何から始めればいいか分からない」「うまく連携できるか不安」と思っているなら、まずは小さく試してみるのが本当におすすめです。一緒にチームを作っていきましょう。

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オフショア開発で人材不足解消、競争力強化を目指す企業ご担当者様へ

モンスターラボは、約20年にわたるサービス・プロダクト開発の実績から得られたデジタル領域の知見や技術力を活かし、デジタルプロダクト開発事業を展開しています。

弊社オフショア開発拠点では約700人の開発人材が所属しております。エンジニアの採用・育成が追い付かず、開発のリソースが足りない、そもそも開発組織の立ち上げ方がわからないといった課題や将来的な内製化まで伴走支援が可能です。

モンスターラボが提供するオフショア開発の詳しい概要は以下リンクをご確認ください。

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記事の作成者・監修者

野挽悠太(株式会社モンスターラボ プロジェクトマネージャー/プロダクトマネージャー)

野挽悠太(株式会社モンスターラボ プロジェクトマネージャー/プロダクトマネージャー)

大学で国際教養学を専攻し、グローバルな環境での課題解決を志向して2023年にMonstarlabへ入社。入社後はToCからToBまで幅広い領域のプロダクト開発に携わり、海外拠点との連携を活用したプロジェクトでプロジェクトマネージャー(PjM)を担当。 その後、日本郵便様向けのプロダクト開発において、プロダクトオーナー(PO)兼プロジェクトマネージャー(PjM)として参画し、ビジネス要件の整理や開発チームのマネジメントを担当。 またSaaSを提供するHR Tech領域のベンチャー企業でプロダクトマネージャー(PdM)を務め、企画立案から要件定義、運用まで幅広く携わり、プロダクトの成長に貢献している。