事故予測・安全書類作成支援システム
大林道路は、道路建設という動的な現場環境において従事する作業員の安全確保を最重要課題と位置づけ、長年にわたりプロジェクトの全期間を通して安全活動を徹底してきました。さらなる安全水準の向上を目指すなかで、テキストや定型イラストを用いた伝達手段だけでなく、現場のリアルな状況から作業員が直感的に潜在するリスクを理解し事前に適切な対策を講ずる重要性を認識していました。加えて、過去の事故事例を組織的に活用し、同様の事故を未然に防ぐ仕組みの構築も、同じく重要な課題として位置づけていました。
また、社内には過去の事故報告書や不具合事例といった貴重なナレッジが膨大に蓄積されていましたが、それらの多くは有効に利用されているとは言い難く、必要な時に必要な情報を即座に引き出すことが難しい状況でした。結果として、安全対策の質が現場担当者個々の経験に依存しやすい状況があったため、組織全体で横断的にナレッジを活用することを目的として、モンスターラボとプロジェクトに挑むことになりました。
モンスターラボは、国内コンサルタント・AIストラテジストとベトナム拠点エンジニアによるハイブリッド体制のもと、アジャイル手法で顧客ニーズをプロダクトへ迅速に反映するためのチームを組成。現場での実用性検証フェーズから伴走し、PoCを経て検証した概念をAzureを基盤とするMicrosoft Teams上で動作するシステムへと段階的に発展させました。
システムの核となるのは、工事日報などのPDFや現場画像、作業計画書などのExcelファイルを入力情報として、AIが過去の事故事例データベースを参照し「重要・類似・頻出」の3分類で関連事例を提示する機能です。入力内容をもとに潜在的な事故場面の予測画像や作業手順書用のイラストを自動生成することで、建設現場における各種リスク予測を視覚的に確認できる環境を実現。作業計画書の作成工数を削減しながら、当該現場の関係者全員が個々の経験、スキルに依存することなく安全作業の留意点を把握できる環境を整備しました。
ユーザー体験の面では、専門用語を理解したプロンプトを入力しなくてもAIが入力内容を再解釈して回答を作成するため、ITリテラシーを問わず現場担当者が使える仕組みを整えました。
生成された画像はタグ付きで全社共通データベースに蓄積することで、同種工事の安全書類作成にも再利用できる仕組みも実装。ナレッジが積み上がるほど画像生成の精度も向上し、組織の資産となっていく設計を実現しました。
システムは現在、検証フェーズを経て本番運用に向けた移行を継続しています。従来は数時間を要していた過去事例の調査やリスク分析がAIの活用により数分で完了するなど、業務効率の大幅な改善が期待されており、大林道路からも安全を守るパートナーになり得るとして高い評価を受けています。
他システムとのAPI連携も実現しており、複数の業務システムが連携する安全管理エコシステムへの発展も期待されています。さらなる高度化も視野に入れており、大林道路の安全水準を次世代のスタンダードへと引き上げるべく、モンスターラボは今後も支援を継続していきます。
“弊社側の要件がまだ固めきれていない状態でモンスターラボさんに入っていただいたのですが、私たちの方針変更にも柔軟に対応いただけたので大変助かりました。”
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