データの再設計およびRAG活用インターフェースのPoC開発
世界中の企業トップへのアドバイザリーを担うEgon Zehnderは、長年にわたる豊富なビジネスデータと人材・組織に関する深い知見を組織内に蓄積してきました。生成AIの急速な進化を受け、そのデータ資産をいかにインサイトの創出やクライアント支援の強化へ活かすかが、経営の重要テーマとなっていました。
一方で、当時は社内のデータモデルが分散していたことに加え、ガバナンスポリシーも未整備であったため、AI導入の取り組みが局所的なものにとどまるリスクもありました。信頼性の高い情報をもとにクライアントに向き合うことがビジネスの根幹であるだけに、まずは
堅牢なデータ基盤の上でAI活用を実証することが不可欠でした。こうした認識のもと、Egon Zehnderはモンスターラボとともにプロジェクトに挑むことになりました。
モンスターラボのアメリカ拠点は、ニューヨークオフィスでのワークショップによる現状の調査から着手。既存のデータ構造やガバナンスポリシー、経営の優先課題を丁寧に整理しながら、変革後のデータモデルとエコシステムのあるべき姿を共に設計しました。
中心的な成果のひとつが、RAG(検索拡張生成)技術を活用した自然言語インターフェースのPoC開発です。ChatGPTとLangchain Neo4Jを連携させることで、蓄積された社内データに対して、会話形式で直感的に問い合わせができる仕組みを構築。情報収集やインサイト抽出にかかる時間を大幅に短縮できることを示しました。
また、AIがもたらす価値を具体的に示す複数のプロトタイプも開発し、組織の意思決定層が「AIで何ができるか」を実感できる場を設けました。技術実装にとどまらず、組織全体がデータをより主体的・効果的に扱えるよう、ガバナンスの考え方と運用の整備にも深く関与しています。
本プロジェクトによるPoCを経て、Egon Zehnder全社員が新たなAIツールを活用できる環境が整い、同社のデータ活用の歩みにおける大きな節目となりました。当初はワークショップ単体として始まったこのプロジェクトですが、現在では複数年にわたる戦略的パートナーシップへと発展しており、今後は、今回構築したデータ基盤とAI活用の知見をさらに深化させ、Egon Zehnderのビジネスそのものをよりインテリジェントなものへと進化させていくことが期待されています。
モンスターラボは引き続きEgon Zehnderの変革を支援してまいります。