AI無線通信ソリューション「ULULA-i(ウルラアイ)」(開発中)
「ULULA-i」は、無線機やカメラ、マニュアルなどの情報を統合し、クラウド上の生成AIを活用して現場の状況を把握できる環境を目指すソリューションです。 生成AIを現場で役立てるには、汎用の生成AIでは知り得ない、現場ごとに固有の情報やノウハウをどうAIに教えていくかが問われます。これは一度で答えが出るものではなく、現場での検証を重ねながら磨き続けていくテーマです。そのため、検証の結果を受け止めて要件を更新し、すぐに開発へ戻せる体制と進め方が求められていました。
モンスターラボは、JVCケンウッドが進める開発において、プロジェクトメンバーが同社のチームに深く入り込み、現場で実現したい価値や検証結果を直接受け止めながら、支援する範囲の要件定義から設計、実装、検証までを一貫して推進するFDE(Forward Deployed Engineer)型の支援体制を構築しました。要件を柔軟にアップデートしながら進めるアジャイル型のアプローチで、JVCケンウッドのチームと一体となって技術検証と実装を前進させています。
開発の進め方の土台には、モンスターラボが体系化した新しい要件整理の手法「SST&F(Story・Scene・Ticket & Function)」を据えました。現場で実現したい価値をSTR(ストーリー)、その具体的な利用場面をSCN(シーン)、実現に必要な機能をFUN(ファンクション)、日々の開発作業をTKT(チケット)として一本の線でつなぎ、利用体験を起点に段階的に設計を進めました。
生成AIを活用したソリューションは、検証を重ねるたびに要件が変わっていくため、SST&Fの手法を用いて、どの場面のための機能か、どの機能のための作業かという対応関係を明確に残すことで、要件が変わっても影響範囲を確かめられるようにしています。加えて、整理した内容はAIが読み取れる文書として残し、AIを活用した開発の入力としてもそのまま使っています。
開発プロセスもAIを前提に設計し、テストシナリオ設計や機能影響分析、ドキュメント作成などにAIを積極的に活用しています。要件の変更や検証結果を素早く開発へ反映するサイクルを回し、開発スピードと検証精度の両立を図っています。
JVCケンウッドは2026年9月、株式会社エクセリの協力のもと北海道旭川市のイベントで「ULULA-i」による実証実験を実施し、実用化に向けて開発を加速していくとしています(※)。モンスターラボは引き続き技術パートナーとして、その開発を支援してまいります。