• 日本語
  • English
  • 中文
MENU
CREATE A PLATFORM FOR DIVERSITY
Web, Game, App, Illustration
https://monstar-lab.com/
Blog
2017/01/24
文化人類学とデザイン思考

前回、チームの創造性を引き出す以下の4つプロセスこそがデザイン思考であり、それぞれのプロセスを適切な形で行うことで、創造的なアイデアを生み出すことができることを紹介しました。
1 事実をまず見つける (Fact-finding)
2 次に問題を発見する (Problem-finding)
3 アイディアをみつける(Idea-finding) – つまりここがブレスト
4 解決方法をみつける (Solution – finding)
この4つのプロセスのうち、今回は、1.事実をまず見つける方法(Fact-finding)について、その基礎知識を紹介します。

| フィールドワークがデザイン思考の柱

サービス開発のアイデア出しを行うと、時間などの制約から、1と2のステップに十分な時間がさけないこともあるかと思います。ですが、本来のデザイン思考は、フィールドワークなどの調査を行うことで対象の事実と課題を発見することが柱となっており、そこに十分に時間をかけなければ結局何も解決できないという結論に陥ってしまうことも多いに考えられます。

StockSnap_OURBON0MV9 (1)

その具体的な方法はアメリカのクリフォード・ギアツ氏によって提唱されたものが有効です。特筆すべきことは、ギアツ氏はデザインやエンジニアリングに従事された方ではなく、文化人類学者であるということです。彼は、あらゆる文化現象をテキストとして捉え、それを聖書解釈学者のように「解釈」する方法を提案しています。
詳細の説明は省きますが、ギアツ氏は、現在のデザイン思考のファーストステップである、「事実をまず見つける」について、本質をいきなり理解しようとするのではなく、対象の全ての情報をもらすことなく観察してそれをテキストに落とし込むことが必要であると説かれています。

| 弟子と師匠の関係による事実の記録

この事実を記録する方法として、ギアツ氏の考えをよりデザインの領域で活用できる有効な方法は、ヒュー・ベイヤー氏とカレン・ホルツブラッド氏が提唱した「コンテキスト・インクワイアリー」というものがあります。
弟子と師匠の関係による事実の記録

この方法は、まずフィールドワークの対象である観察者を「師匠」のように捉え、何らかの形でし師匠との間に信頼関係を築きます。時間的な制約にもよりますが、対象者の生活圏で生活を共にする、同じ仕事を一定期間するなどを通すなどがひとつ方法として実践されています。
その後、対象者の行動を逐一記録し、その時々で疑問に感じたことをひたすら質問するなどして、事実の収集に努めます。ポイントは、答えを見出そうとはせずに、あくまでも事実(情報)収集をすることです。

| バイアスを破壊し、事実に着目する

さらにベイヤー氏は、この情報を元に分析を進める方法論を確立されていますが、その前段階でも意外と見落としていたことが見つかるかもしれません。このように、サービスづくりをするとなるとついつい一人や社内のみで考えてしまいがちですが、いままさにデザインしようとしている顧客と可能な限り時間をとって、彼らが普段何気なく行っている行動をまず収集して、そこから何が課題かを定義していくと、サービス開発の目的とコンセプトがより明確になってくるかと思います。
ついつい、先読みをしてロジカルに様々なことを勘ぐってしまいがちですが、まずは事実を集める。ということに全力を注いでみることで突破口が見えてくるかもしれません。

| まとめ

ここまで3回にわたってデザイン思考とは、創造性を引き出すためのプロセスであることをお伝えしてきました。デザイン思考は現在、世界の様々な企業で活用されており、今後もその広がりが予想されます。
しかし、度々お伝えしている通り、自動的にイノベーションが起きるわけではなく、まず大事なのはチームが同じ目的をもち協力しあう状態をつくることだと思います。当メディアでも度々、チームビルディングの方法についてご紹介してきましたが、また機会をつくってチームビルディング方法についてもご紹介していければと思います。

Archives